内容説明
地震、津波、原発事故の三重の打撃によって、政治的、社会的な未曾有の危機に陥った日本資本主義が、スポーツ・ナショナリズムの鞭を全力で振るって、なりふり構わず正面突破を図ろうとしている。いま、国民国家主義とグーバル資本主義を媒介する巨大スペクタクルに呑み込まれないために。
目次
序文に代えて 「東京へゆくな」二〇二〇
第1章 災厄のポリティクス(“反詩”の果て?―原発震災下で黒田喜夫を読み直す;“過ぎ去らない現在”から“はじまり”へ;符牒とタブーに抗して―アナクロニー・過誤・不可能な正義 ほか)
第2章 境界から歴史をみつめ返す(ナショナリズム、その“彼方”への隘路;フランスの原発政策と対抗運動の思想史粗描;国境を超える歴史認識を求めて ほか)
第3章 日本型祝賀資本主義批判―天皇代替わりとオリンピック・パラリンピック(イメージとフレーム;オリンピック・ファシズムを迎え撃つために―利権まみれの「聖火」を拒否する!;「メッセージ」以後―天皇(制)による新たな国民統合に抗して ほか)
著者等紹介
鵜飼哲[ウカイサトシ]
1955年生。一橋大学特任教授。フランス文学・思想専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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