内容説明
主要作品を読み解きながら、日本人の戦争・戦後責任、原爆と原発による加害と被害問題を考察した書き下ろし論稿。
目次
第1章 上海(戦争)体験(戦中生活の「光」と「影」―『ミッシェルの口紅』;戦後上海再訪記―『上海』;大人としての上海追体験―『予定時間』)
第2章 「八月九日」の語り部(体験と記憶―『祭りの場』;「傷もの」の有り様―『ギヤマンビードロ』;「八月九日」を語る―『無きが如き』;鎮魂の「紙碑」―『やすらかに今はねむり給え』)
第3章 戦後を生きる被爆者(『三界の家』とは…;結婚生活の“奥底”―『谷間』;もう一つの「鎮魂」―『長い時間をかけた人間の経験』)
第4章 核の恐怖と人間の存在(被爆者は“人間”だけなのか―『トリニティからトリニティへ』;“反原発”へ―『収穫』;“再出発”の可能性―『希望』;「フクシマ」後の報告―『再びルイへ』)
著者等紹介
熊芳[ションファン]
中国・江西省景徳鎮市生まれ。博士(国際文化)。専攻は日本近現代文学・原爆文学。2013年、修士論文「被爆作家林京子における上海体験の意味―『ミッシェルの口紅』、『上海』、『予定時間』を中心に」にて第六回中国日本学研究「CASIO杯」優秀修士論文二等賞受賞。2014年、国費外国人留学生として来日、法政大学大学院国際文化研究科に入学、指導教員川村湊教授のもとで、博士後期課程修了。2017年3月、博士号取得。中国・南昌大学外国語学院日本語学科の専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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