内容説明
雪冤・出獄後も続く無実の死刑囚の波乱の人生をたどり、無実を証明する前に処刑された飯塚事件を徹底検証する。
目次
第1章 雪冤は果たしたけれど―免田栄さんの場合
第2章 たった一人の反乱―財田川事件と矢野伊吉元裁判官
第3章 家族離散―松山事件と斎藤幸夫さん
第4章 冤罪警察の罠―赤堀政夫さんと大野萌子さん
第5章 再審開始へ向けて―無実のプロボクサー袴田巌さん
第6章 DNA鑑定の呪縛―飯塚事件と足利事件
著者等紹介
里見繁[サトミシゲル]
1951年生まれ。東京都立大学法学部卒業。民間放送のテレビ報道記者を経て、30歳からテレビドキュメンタリー一筋。2010年から関西大学社会学部教授。主な作品:映像90「ガンを生きる」(95年民間放送連盟賞教養番組部門・最優秀賞)、映像01「出所した男」(02年芸術祭テレビドキュメンタリー部門・優秀賞、民間放送連盟賞報道番組部門・最優秀賞)。他に、日本ジャーナリスト会議賞、地方の時代賞、ギャラクシー賞など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Snowy
5
戦後6つの冤罪事件のルポルタージュ。名前だけは聞いた事のある免田事件から財田川事件、松山事件などなど。袴田巌さんが、再審決定で即時釈放されたのは最近の事なので覚えているが、正直な所、こういった冤罪事件に対する関心は薄かった。心の中の何処かに、こういった人たちは、殺人事件は冤罪であっても、その犯人と思われても仕方の無い素行の悪さというのがあって、遅かれ早かれだったんでは無いか、という偏見があったと思う。警察や裁判所が、そこまで馬鹿な事をする筈がないという信頼もあったと思う。この本で描かれている冤罪事件はそん2016/04/17
Shawn
3
<究極の理不尽> 日本で理不尽だと感じることは数え切れないほどあるが、無実の人が冤罪によって命を奪われることは正に「究極」の理不尽ではないかと思う。 本書で展開されている筆者の主張が全て正しいかは私には判断できない。しかし新聞で読んだ再審の結果と付き合わせて考えると、警察や検察、さらには裁判官までが結託して冤罪を作り上げてきたことは間違いがないように思えた。 司法と警察の権力に立ち向かっていく被疑者や弁護士の心情は想像を絶するものだと思う。本書は彼らの心情を細かく描写している点が本当に素晴らしい。2018/01/31
takubon
2
日本の裁判の駄目なところが良くわかった。 警察、検察のこうと決めたらその方針で逮捕又は裁判官の検察の言いなり等。 科警研のいい加減さ、証拠を捨てた、実験ノートを捨てた等。 再審のハードルが高いのは良く知られているが飯塚事件を是非とも再審開始させて欲しいとつくづく思う。2024/03/12
a.i
2
★★★2023/09/03
supika
1
どの事件も警察(検察もか)の証拠の捏造、つじつま合わせ、自白の強要などの並々ならぬ努力に頭が下がる思いです。この努力をもうちょっと真実の追究に向けてもらえたらと思わざるを得ない。 2016/05/11
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