内容説明
アダムとイヴがサタンの誘惑に負けて失われた楽園が、サタンのあらゆる誘惑にあうも決して屈しなかった人の子イエス・キリストによって全人類に取り戻されたことを歌いあげる叙事詩。
著者等紹介
道家弘一郎[ドウケヒロイチロウ]
1932年生まれ。東京大学大学院修士課程修了。聖心女子大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ロビン
14
『失楽園』ではアダムとイヴが蛇(ルシファー)の誘惑により禁断の智慧の実を食べ楽園から追放される姿を描いたミルトンだが、本書では神の子イエス・キリストがルシファーからの度重なる誘惑をことごとく退け、使命の道を歩む姿を描いている。ルシファーがあの手この手でイエスを誘惑しようとするさまは、メフィストフェレスのファウスト博士に対する姿を彷彿とさせる。「天罰」と揶揄された失明や、信念ゆえの投獄という試練に遭ってもー彼にも様々の誘惑はあったであろうー自らの使命の道を毅然と歩み通したミルトンの不屈の闘志を思わせる。2025/02/22
Goma
1
新約聖書を初期近代英語の叙事詩で書かれたのが本作。旧約聖書にあたる『失楽園』が長く、先にこちらを読みました。旧約も新約も聖書物語で読んだ事がありますが、詩という短文になったのを理解するのは難しいけれど、他の宗教より分かりやすい内容で約1時間半で読み終えました。ちなみに我が家は両親の実家も含めキリスト教ではなく、葬儀はお経を唱える方です。日本古来からある古事記や日本書紀と世界中で読み継がれる聖書の共通点は、何世紀も前から語り継がれる物語は現代人の心の拠り所であると読後に改めて感じました。2025/01/14