双書・20世紀の詩人<br> フランシス・ポンジュ詩集

双書・20世紀の詩人
フランシス・ポンジュ詩集

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  • サイズ B6判/ページ数 214p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784755140211
  • NDC分類 951
  • Cコード C0398

内容説明

20世紀フランスを代表する特異な詩人フランシス・ポンジュ。貧しい勤労生活の傍ら、ジャン・ポーランと親交を結び、43歳の時上梓された『物の味方』で、カミュやサルトルに真価を認められ詩壇に登場。語と、語の対象である物、それぞれの物質性を回復することによって、現代人の精神の危機を救う、新たなユマニスムの世界。

目次

詩篇(物の味方;方法;やむにやまれぬ表現の欲求 ほか)
詩論・エッセイ(つぶやき;物言わぬ世界はわれらの唯一の祖国 ほか)
詩人論・解題(F・Pあるいは幸福な人間;始原の擬音語―始原の雷雨)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

42
実は、ちょっと前に図書館で借りてよんだ本。ものに対する、作者ならではのこまかーい視点が興味深い。「いやいや、大袈裟な(笑)」という描写もあり、「そう解釈するか!」と一本とられた描写もあり。新鮮な感覚で楽しめました。小さなことにも、つねに何かしら考えをもっていること・おもいをめぐらせていること。ささいなことにも、感動できること。そうした姿勢でいたほうが、きっと世界は面白く、輝いてみえるはず。忙殺されて早送りしそうになった時など、おりに触れて再読したい作品です。2016/04/28

松本直哉

29
貝や蝸牛を見つめるポンジュの視線は羨望と尊敬に満ちている。自らの分泌物で作り出すその殻はその肉に過不足なく寄り添い、肉の死後も残って美しさを嘆賞される。一方、人間の作る建造物は、いたずらに巨大で空疎な骸骨でしかない。人間の分泌する言葉で、貝のように、その身体にぴったり見合う形と大きさのものを作ることはできないか。そんな詩人の欲望が彼に詩を書かせる。サルトルがポンジュを評した「言葉の垢落とし」は、誇大な意味や観念を言葉から排して、言葉をものに寄り添わせようとする詩人の試みを言い当てたものと言えるかもしれない2021/04/15

いとう・しんご

5
カルヴィーノきっかけ。巻末の専門家による詩人論の部分はさっぱり理解できなくてパス。だけど、「蝸牛」「小石」「ミモザ」などの「物」objectを主題とする彼の詩そのものはとても刺激的。ポンジュが、人間が「まさしくあるところのものとして自分を認知する」時、「人間と世界との和解が生まれる」P145と言うとき、彼はまず、世界を「まさしくあるところのもの」として語り、理解するところから始めようとしているように感じました。詩の好きな人にはオススメ。2024/11/14

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