出版社内容情報
日本人の祖先はどこから来たのか。アフリカで誕生したホモ・サピエンスの世界拡散の流れが日本列島に達したのはおよそ4万年前頃と推定されている。列島に来た人々は旧石器時代を過ごし、1・5万年前に新石器の縄文時代を迎え、BC10世紀頃から水田稲作の弥生時代、そして、3世紀に倭大王、倭王権成立、古墳時代を迎えた。
この長い時代、人々の生活、社会はどのように営まれたのであろうか、どのような歴史が刻まれたのであろうか、知りたいと思う人々は多いであろう。我々に残された材料は、当時の遺跡・遺物、紀元以降の倭について記す大陸の僅かな史料、そして、奈良時代初期に編纂された古事記、日本書紀に記されていることなどである。
近年、有史前の日本の歴史についての研究は多彩で、遺跡、遺物の発見、分析手法の進歩、究明の積み重ねにより明らかになってきたことが多い。本書はそうした研究成果をもとに文字なき古代の列島史を記すことを試みたものである。古代社会は我々の祖先の生きた場であり、郷愁と想像をかきたてる世界である。本書が皆さまの古代社会探訪の一助となれば幸いである。
目次
第1部 日本人はどこから来たか(人類発祥と世界拡散;日本の旧石器時代)
第2部 縄文時代(縄文文化は日本特有のもの;縄文時代の始まり;時代区分に応じた縄文社会の様相;縄文社会の様々な側面;言語学からみた日本人の起源)
第3部 弥生時代(弥生時代の始まり;弥生時代の時代区分;水田稲作の伝播;鉄器、青銅器の伝来と普及、弥生土器)
第4部 各地に生まれた国の姿(各地に国が出現;各地に生まれた国の姿;纏向遺跡)
第5部 倭王権の成立(倭王権成立へ;箸墓古墳の出現―古墳時代・倭大王時代へ;中国史書の伝える倭、邪馬台国;古事記、日本書紀に記される倭国、倭大王の誕生;記紀の記述と史実―史実を求めて)
文字なき列島古代史
著者等紹介
和邦夫[ヤマトクニオ]
1939年、東京都生まれ。1963年、東京大学法学部卒業、同年大蔵省入省、1994年まで同省勤務、同省主計局主査、調査課長、大臣秘書官、主税局審議官、理財局長などを務める。1995~6年環境事務次官。現在、一般財団法人大蔵財務協会顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 和書
- 満洲国物語 〈上〉