出版社内容情報
新事業承継税制では、2018年から2027年までの10年限定、対象株式が発行済株式総数の全て(一般措置では3分の2まで)、対象株式に係る相続税は100%相当(一般措置では80%相当)までが猶予限度額とされました。また、雇用確保要件は実質撤廃、さらに、経営環境悪化による自社株売却時には売却価額に応じた猶予税額のみ納税とされました。
将来見通しが不透明であっても利用しやすい制度設計ですが、従来と変わらず、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」と「租税特別措置法」の複数の法律を根拠とした分かりにくい制度です。この制度を利用するためには、まず、特例承継計画の申請を行うことが条件で、これは簡単に作成することができます。また、申請した計画通りに実行しなければならないわけではなく、仮に全く実行できなかったとしてもペナルティはありません。したがって、この制度を適用する可能性が少しでもあるのなら特例承継計画は申請しておいた方がよいでしょう。
特例承継計画の申請期限は、新型コロナウイルス感染症の影響等により2022年度税制改正にて、2023年3月31日から1年間延長され、2024年3月31日までとなりました。
本書では、各々の納税者にとって新事業承継税制が利用できる制度なのかどうかを判断するためのポイントをまとめました。新事業承継税制という制度の概要を把握し、事業承継を進める上の選択肢の1つとして利用できる制度なのかどうかを判断するための手引書です。
内容説明
承継計画申請は2024年3月末まで適用検討すべきか否かこの1冊で確認!!
目次
第1章 総論―新事業承継税制は活用できる制度なのか?(新事業承継税制の概要;贈与による承継と相続による承継;注意すべき適用要件 ほか)
第2章 手続き―手続きは煩雑で大変なのか?(新事業承継税制の手続き概要;特例承継計画の手続き(作成方法)
認定申請手続き ほか)
第3章 個別論点―その他、注意しておきたい個別項目(新事業承継税制適用の簡易チェック方法;新事業承継税制と株価;新事業承継税制の期限を意識した事前準備 ほか)