内容説明
名古屋城内での中年男性の変死体と仁四郎作の陶器が発見された。その陶器は三十年前清洲で起きた惨殺事件の現場から盗まれたものであった。事件は犯人寺本が伊勢湾台風で水死したため、被疑者死亡で解決していた。だが、寺本の母親の不可解な死から、急転、捜査中の事件は意外な方向へと進んでいった。その黒い渦は、やがて、陶芸界の重鎮、重原惣平から独立を許された、堀田光一とその恋人聡子の二人を巻き込んでいった。三十年の歳月を経て、いま、名古屋城内に、信じられない犯人の素顔と驚愕のどんでん返しが待っていた…。新本格推理の旗手矢島誠が書下ろした感動の長編推理。