内容説明
それは月4,100円(光熱費・水道代込み)で住むことのできる、京都大学の学生寮。圧倒的な汚さと楽しさを誇る。
目次
入寮オリエンテーション
SC新歓
熊野寮の概要
ブロック新歓
ピザ窯新歓
くまのまつり
KMN48
蛍
寮生大会
誕生日プレゼント〔ほか〕
著者等紹介
福田桃果[フクダモモカ]
1997年奈良県に生まれる。奈良県内の中高一貫校卒業後、2016年に現役で京都大学医学部人間健康科学科入学。入学と同時に熊野寮に入寮し、サバイバルな生活を満喫している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ろくせい@やまもとかねよし
155
発行時の2018年、京都大学の現役女子学生である著者が綴った熊野寮にまつわる随筆。入寮に至るまでから寮生活の集団生活やイベントなどの経験を記す。前半は熊野寮の紹介。後半は、熊野寮で築いた友人の不幸に関わる記録。多くの大学は古くから自治を重んじる。京都大学熊野寮では、学生が権利と義務を上手く制御しながら自治を維持することが継承され、またそれを現役学生らが彼らなりに楽しんでいく様子が伝わってきた。今も昔も変わらない学生の本意を垣間見ることができた。著者も含め熊野寮の学生たちにエールを送りたい。2019/07/24
えちぜんや よーた
111
このタイトルとオビを見て何を感じるだろうか。熊野寮と「寮祭」・「炊事場」・「シャワー室」・「こたつ」などの名詞を足して想像すると皆さんイメージはおおむね同じになると思う。自分の感想を一言で述べると京都大学熊野寮は「人間動物園」。京都帝国大学・三高と呼ばれた時代に在籍していたであろう弊衣破帽の学生がいつ飛び出して来てもおかしくない。京大と同じく京都御所の東側には同志社大学今出川キャンパスというおしゃれな建物がある。だがそこに通う大学生と寮生は同じ「大学生」としてカテゴライズできないことを改めて実感した。2019/07/19
TATA
52
私はこちらの大学の出身ではないけれど、自分たちの頃と比べても大学生の生活って変わらないものだなと。高校から大学に行くと急に環境が変わる。友人との付き合い方も変わって。それだけに奇人変人も含めていろんな人達と付き合ってほしいなと、いつの間にやら親目線で一読でした。あと、時計台占拠は今時だからやめた方がいいと思うな。でも自分が学生の頃ならやってただろうし、うーん。2019/06/18
ぶんこ
51
最後まで読むと著者の繊細さが分かるのですが、それまでは真面目ではあるけれど逞しい人だと思っていました。古くて清潔とはいえない寮。浴槽が無くて女子シャワーは2台しかない。個室では無くて上級生と同室。部屋は別でも男女一緒の建物。寮祭などを読むと楽しそうなのですが、自分がとなるとパスとしか思えない。高校時代に保健室登校をしていたという著者。克己心が強かったのか?一部の高校生にとっての指南書になるかもしれない。周囲に溶け込む努力をしつつ、寮生活も3年目を迎えられました。親の目線で見てしまいホッとしています。2019/07/25
鯖
19
京大吉田寮をモデルにした渡辺あやさんのドラマ「ワンダーウォール」がすごかったこともあり、手に取った本。そしたら熊野寮だった。エール出版社の本でもあるので、なつかしの受験勉強はこうやって乗り越えましたも少し。精神的にちょっと不安定で、夏まで自傷してたのによく頑張ったなあ…。内容はとんでもない寮生活、寮祭、変な友人、そして友の死とありがちといえばありがちな内容なんだけど、なんていうか寮というのは人の感情を加速させ、爆発させやすい場なんだろうなあと。それが若者ならば尚更。2018/11/04