目次
写生艸花模様
松づくし
竹づくし
梅づくし
はな筏
こうりむもよう
扇面図案とこなつ
伊達模様花づくし
著者等紹介
古谷紅麟[フルヤコウリン]
1875年に滋賀県高島郡海津町に生れた。本名は藤太郎といった。京都に出て、漢学や国文学を修めた後、四条派の鈴木万年に絵画を、神坂雪佳に図案を学ぶ。1896年、22歳で京都美術協会主催第二回新古美術品展覧会の図案部に「紅燐」の名で「加茂川千鳥総透シ彫文房用棚木具指物図案」を出品し入賞する。また、第二回懸賞図案会では「手箱松島」で褒状一等となり、その他にも織物や漆器の図案で受賞するなどして、図案家としての活動を始める。これ以降は、主に新古美術展覧会に精力的に出品し入賞を重ね、後には審査委員となる。また、1900年から京都市立美術工芸学校に嘱託技手として勤務し、1905年に助教諭となった・この頃、同僚であった松室茂光に建築学と室内装飾法を学んだ。また、京都高等工芸学校に図案科教授として招かれていた浅井忠に木炭画を学んだという。こうして、紅麟は絵画、図案、建築に関わる技法や知識の吸収に努力しながら、後進の指導にあたる一方で、展覧会出品を行い、多数の図案集を発行するなど、精力的に活動したのであったが、1910年の暮れに突然に病に倒れ、36歳という短い生涯を終えている
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感想・レビュー
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明治の図案家古谷紅麟の草花を中心とした図案集。陶磁器、漆器、染織などで必要となる図案を制作。そのほか屏風絵や装飾画なども作品もある。江戸から明治になり、新しい図案が求められる。西洋画に影響も受けつつも、旧来からの日本らしい草花を描く。自然の色とは別の色を配しつつも色味を抑えてまとめたり、自由に草花を描いている。実に楽しそう。光琳を意識しつつ、伝統だけにとらわれない姿は、明治らしいのかな。絵画は歴史があるので色々な人がいるし、色々な絵柄がある。そのせいで飽和しているともいえるが、原点の楽しさは魅力的。2024/08/25