出版社内容情報
著者の極めて独自な示唆に富む古典的名著で、ゴシック研究には欠かすことのできない論考と文献。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あかふく
2
基本的には『抽象と感情移入』で述べられた「抽象衝動」に基づく美術形式としてゴシックを定立するという議論。ゴシックを過剰さや垂直性の美術と見ることで、その後の経過も観察し、ゴシックとバロック、ゴシックとスコラ派などの関連も論じる。またその後の研究の成果を参考に踏み出せば、マニエリスム(サイファー)やイギリス式庭園などもまたゴシック的なものとして拡張して考えることもできる。また後々のゴシック文学(ヴォリンガーはゴシックの文学性についても挙げる)も辿ることができるために、本書は古典として参照されるものと言える。2014/01/17