内容説明
今日の芸術療法の方法論の展開や諸技法の開発と実践においては、じつに多彩な役割が精神科医療の現場において果たされている。絵画療法、音楽療法、詩歌療法(俳句・連句療法)や箱庭療法、陶芸療法、物語療法、ダンス療法に心理劇…。本書は、こうした多彩で可能性にとむ治療技法をたずさえ、その実践と研究に携わる研究者たちが築いてきた成果の集大成である。1巻では芸術療法の理論的考察を主に取り上げた。
目次
1部 芸術療法とはなにか(精神医学と芸術療法;芸術療法の有益性と要注意点 ほか)
2部 表現病理学的視点(循環性の自然史と表現精神病理学;精神分裂病とその表現病理 ほか)
3部 芸術療法の各種技法の理論と展開(絵画療法の各種技法の理論と展開;箱庭療法の理論と展開 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Akihiro Nishio
13
芸術療法というタイトルだが、実際には、本書の9割異常が、患者が描く絵画の特徴を読み解くものであった。患者に絵を描かせることで、患者の病理を読み解き、そのことが結果として治療的であることは確かだが、「理論編」の本書で、表現精神病理と芸術療法が区別されていないのはいただけない。わずか1割の治療論は実践に関する細々としたことで理論はない。表現精神病理の古典を学びたい心理士向けであろう。2016/05/10
ouosou
0
脚下照顧という感じで、学生時代に読んだ本を時折読み返すのはよい。2019/02/26