内容説明
うつ病の発症・維持にかかわるものとして注目される「反すう思考(反復的な否定的思考)」だが、そのための治療法はこれまでほとんどなかった。本書は、認知行動療法の枠組みにもとづきつつ、「具体的思考」「没頭体験」「コンパッション」など、患者の情報処理スタイルに変容をもたらす方略をふんだんに盛り込んだ、反すう思考軽減のための治療マニュアルである。うつ病治療に新たな視点をもたらす、精神科臨床従事者必読の1冊。
目次
第1部 反すう―精神病理とその治療(なぜ反すうを治療のターゲットにするのか;反すうを理解する;反すう焦点化認知行動療法の構成要素と基本的な考え方)
第2部 反すう焦点化認知行動療法(治療初期のアセスメント;治療原理と目標設定;反すうの機能分析 ほか)
第3部 反すう焦点化認知行動療法の適用と拡大(反すう焦点化認知行動療法の事例:開始から終結まで;反すう焦点化認知行動療法の応用)
著者等紹介
大野裕[オオノユタカ]
精神科医。大野研究所所長。1950年生まれ。慶應義塾大学医学部卒業。コーネル大学医学部、ペンシルベニア大学医学部留学などを経て、慶應義塾大学教授、国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター長を歴任。2015年4月より同認知行動療法センター顧問。日本認知療法・認知行動療法学会理事長、日本ストレス学会理事長を歴任。日本ポジティブサイコロジー医学会理事長、認知行動療法研修開発センター理事長、ストレスマネジメントネットワーク代表
梅垣佑介[ウメガキユウスケ]
公認心理師、臨床心理士。博士(教育学)。奈良女子大学臨床心理学領域専任講師。2008年、東京大学教育学部教育心理学コース卒業。2013年、東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース修了。エクセター大学気分障害センター客員研究員を経て、2014年から奈良女子大学臨床心理学領域に勤務
中川敦夫[ナカガワアツオ]
精神科医。聖マリアンナ医科大学神経精神科学教室教授。1999年、慶應義塾大学医学部卒業。コロンビア大学医学部精神科への留学、国立精神・神経医療研究センタートランスレーショナルメディカルセンターならびに認知行動療法センター室長、慶應義塾大学医学部臨床研究推進センターならびに精神・神経科学教室特任准教授などを経て、2022年4月より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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