内容説明
最近では発達障害の概念が拡大し、その頻度は一割くらいと見積もられている。筆者の周辺でも、日常生活に大きな支障がない段階での相談が増えている。東洋医学でいえば「未病」の状態での相談である。これまでの精神医学では、生活に支障がなければ障害という診断をせず、支援も滞りがちであった。でも、発達特性による日々の困難さを放置すると、本当の障害に発展しかねない。「発病には至らないものの、健康な状態から離れつつある状態」での相談をしっかりと受け止めて、特性段階での予防的対応を大切にしたいと思っている。本書では地域を広範にカバーする療育センターでの取り組みを中心に、支援において医師のできること、医師の立場で留意すべきことなどを述べてみた。
目次
発達障害支援の概要と医師の役割
面接のコツ
初診―出会う前から診断告知まで
初診から発達支援へ
再診点描
チーム支援における医師の役割
地域支援における医師の役割
保護者支援の原則
いろいろな症状への対応
併存症への対応
マルトリートメントへの対応
薬物療法あれこれ
診療の終結と支援の継続
著者等紹介
広瀬宏之[ヒロセヒロユキ]
1969年東京に生まれる。2015年~放送大学客員准教授(兼務)。「精神医学特論」「精神疾患とその治療」担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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