内容説明
「治療者がなすべきは、癒しでも、慰めでも、気休めでもない。むしろ、患者に対しても、周囲に対しても、危機感を持たせることにある。現状打開の必要性を強い意志をもって伝えることである。」言葉を処方する、精神療法家としてあるべき姿とは?心身二元論を超克する、精神科医の矜持をここに綴る。
目次
第1部 人を診るということ(“私の面接”精神療法としての生活習慣指導;“自切俳人と見た“夢””真夜中の補習はほどほどに、睡眠とくらしのリズム;“治りたがらない病人と”精神療法家の夢と挫折―ボーダーライン問題によせて ほか)
第2部 薬物の軽重を問う(“こころある精神科医へ”思春期臨床と疾患喧伝―薬を飲んで大丈夫か?;“つくられる病”『こころの風邪』はうつ病ではない;“精神科医療は牧畜業ではない”『こころの風邪』物語の終焉 ほか)
第3部 私の考える精神療法(“その人に合わせて生活をととのえる”こころの健康3つの習慣―療養指導の実際;“治療チームのコーディネーターとして”情報化時代における精神科臨床―診療録の記載と病名の告知;“ときには諌言も必要”メンタルヘルス・コンサルタントという役割 ほか)
著者等紹介
井原裕[イハラヒロシ]
1962年鎌倉市生まれ。1987年東北大学医学部医学科卒業。1994年自治医科大学大学院医学研究科博士課程修了(博士(医学))。後に国立療養所南花巻病院勤務。2001年ケンブリッジ大学大学院博士号(Ph.D.)取得。2002年順天堂大学医学部精神科講師。後に同准教授。2008年獨協医科大学越谷病院こころの診療科教授。現在、日本の大学病院で唯一の「薬に頼らない精神科」である、獨協医科大学埼玉医療センターこころの診療科にて、診療部長を務める。専門はうつ病、発達障害、プラダー・ウイリー症候群等。精神科臨床一般のみならず、産業精神保健、刑事精神鑑定等にも対応。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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