内容説明
「社会病理」、「精神科医療の対象ではない」と言われた時期もあったひきこもり問題ですが、今や子どもから中高年に至る当事者に対して、多くの領域の援助者が手を携えて緊急に取り組むべき課題となっております。しかし、ケースごとに強い「事例性」をもつ複雑さゆえ、支援のためには、ひきこもり問題の正確な理解、特有の技術や知識が必要とされます。本書は、精神科医でひきこもり問題の第一人者である著者が、最新のひきこもり問題のポイントと、必要とされる相談支援技術について、全18講にわたりレクチャーするものです。盛りだくさんな内容ですが、講義形式のため理解しやすく、一読で支援のためのヒントがいくつも得られるはずです。
目次
第1部 ひきこもり問題を理解するために(「ひきこもり」という現象・用語の多義性;事例性概念について―ひきこもりケースに貢献するために精神科医に必要なこと;「精神障害」「精神疾患」をどのように説明するか;中高年のひきこもりについて)
第2部 本人のアセスメントと支援(「その人」を理解すること;不安の発達論的ヒエラルキー;面接の質を高める―伝え返しや受容・共感・傾聴を卒業する;支援の目標は何か;転移・逆転移の使いみち;支援関係を形成することが難しいケースについて;支援の行き詰まりについて考える;心理療法において生じる引きこもりへの対応;思春期臨床とネットワーク支援)
第3部 家族のアセスメントと支援(家族相談の実際;危機状況における支援の方法論;子どもを自立させることが難しい家族とは;家族同席面接のすすめ;「親の話を先に聴いてほしい」という求めについて)
著者等紹介
近藤直司[コンドウナオジ]
大正大学心理社会学部臨床心理学科教授。1962年東京生まれ。東海大学医学部卒。東海大学医学部精神科学教室、神奈川県立精神医療センター芦香病院、山梨県立精神保健福祉センター所長(山梨県中央児童相談所副所長を兼任)、山梨県都留児童相談所所長、東京都立小児総合医療センター児童・思春期精神科部長を経て、2014年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ゆう@公認心理師
kaz