子どもの未来を育む自立支援―生い立ちに困難を抱える子どもを支えるキャリア・カウンセリング・プロジェクト

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子どもの未来を育む自立支援―生い立ちに困難を抱える子どもを支えるキャリア・カウンセリング・プロジェクト

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  • サイズ B5判/ページ数 170p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784753311453
  • NDC分類 369.43
  • Cコード C3011

出版社内容情報

子ども自身の力や可能性、レジリエンスに基づく、キャリア・カウンセリング・プロジェクトを提案。精神的なレディネスを形成も。〈はじめに〉より
 この本を今、手にとってご覧になっているのは、おそらく「自立支援」,「将来展望」,「生い立ちに困難を抱える子ども」といったキー・ワードに目を引かれ、どんな内容が書かれているか興味を持ってくださった方なのではないかと思います。
本書は、「子どもの自立」を支える方に向けたものです。
ただし、その「自立」とは、技術的なものではなく、精神的な前向きの「心構え」を指します。
子どもの自立を支えるためには、外的な必要性から行われるスキル的なものの伝達であったり、子どもの特性と仕事をマッチングさせる職業適性検査といった、就労支援的な内容ももちろん重要です。しかし、それだけでは充分ではありません。
技術を身に付ける前段に、そもそも、おとなになりたい、将来について考えたいという精神的なレディネスが形成されていなければ、どのようなスキル支援も身に付きません。
このような子どもたちにとってまず必要なのは、これらのレディネスを形成し、将来に対する肯定的な展望を持つことだと考えています。
 経済的な問題から選択の幅が狭まってしまうということもありますが、それよりもむしろ、子ども自身の気持ちが未来に向かっていないということが、より大きな障壁として立ちふさがっている――そう実感されることが、ままあるのではないでしょうか。
 そういった独特の難しさを抱える子どもたちが、どうすれば「将来のことを考えねばならない」から「将来について考えてみたい」に気持ちをシフトし、主体的に自分の自立のことを考えられるようになるのか、子どもの内面に働きかけ、おとなと子どもが一緒にそういう気持ちを育んでいけるような取り組みが必要なのではないか、という切実な思いから、この本が生まれました。
 本書では、このような将来展望を育む方法として、キャリア・カウンセリング・プロジェクト(CCP)をご紹介します。
キャリア・カウンセリング・プロジェクト(CCP)とは、児童養護施設や里親家庭で生活している社会的養護の子どもたちと5年にわたって取り組んできた、子ども主体の自立支援のための実践です。
 第?部は、私たちがキャリア・カウンセリング・プロジェクト(CCP)を生み出すに至った理論的な背景について書かれています。第?部は、実際にキャリア・カウンセリング・プロジェクト(CCP)を行うための手順やワーク、また主に児童養護施設内ではどのような効果や意義があったかを記しています。そして第?部は少し趣を変えて、社会的養護の子どもたちにとって重要な意味を持つ「生い立ちの整理(ライフストーリーワーク(LSW))」とキャリア・カウンセリング・プロジェクト(CCP)の関連について、若干の考察を試みています。

はじめに

第?部  理論的背景

第1章 生い立ちに困難を抱える子どもと将来展望

1.生い立ちに困難を抱える子どもの暮らし

(1)施設心理職として抱いてきた疑問

(2)カンボジアの孤児院の子どもたち

(3)カンボジアの子どもの自立を巡る状況

2.時間的展望と生い立ちに困難を抱える子どもへの支援

(1)時間的展望とトラウマ

(2)生い立ちに困難を抱える子どもの将来展望

(3)本書が問題とすること

第2章 生い立ちに困難を抱える子どもの自立と自立支援

1.社会的養護を要する児童の自立の現状と課題

(1)社会的養護の実際

(2)社会的養護を経験した子どもの進学と就職

(3)社会的養護経験者のその後

2.従来の自立支援が抱える課題

(1)社会スキルと生活スキルを中心とした従来の自立支援

(2)将来展望を育む自立支援

(3)自立支援を巡るミスマッチ

(4)「期限切れ」としての自立

3.子どもが主体的に取り組む自立支援に向けて―協働性を見直す

第3章 キャリア・カウンセリングの視点から

1.キャリア・カウンセリングとは

(1)マッチングを中心としたキャリア・カウンセリング

(2)ナラティブを重視したアプローチ

2.将来展望を育む自立支援としてのキャリア・カウンセリング・プロジェクト(CCP)

第4章 キャリア・カウンセリング・プロジェクト(CCP)とは

1.CCPの概要

(1)CCPの目的

(2)CCPの基本概念と構成概念

(3)構成概念の補足

2.CCPと子ども中心の自立支援

(1)子どもの考えや想いに焦点を当てることへの批判

(2)アドボカシーとしてのCCP

3.これまでの展開と今後の課題

(1)CCPの展開

(2)CCPの課題

第?部  実 践

第5章 キャリア・カウンセリング・プロジェクト(CCP)の実際

1.施設でCCPに取り組むことになった経緯

2.CCPの可能性にかける

(1)大舎制の時代

(2)方向性を喪失する子どもの出現

3.CCPで何を扱えばよいのか

4.子どもの様子から見た1年間のCCPの様子(第1期生の場合)

(1)おとなはどうやっておとなになったのか

(2)どんな仕事をして生きていきたいか考えてみよう

(3)自分の強みってなんだろう

(4)やりたい仕事と向いている仕事

(5)2ヶ月人生体験ゲーム

(6)興味がある仕事をしている人たちの話を聞いてみよう

(7)卒園した後の生活について考えてみよう

(8)キャリア設計をしてみよう

(9)まとめと振り返り

5.ワーキンググループ(WG)側からみたCCPの準備(第4期生の場合)

(1)メンバー募集をかけたら,15名も集まっちゃった!?

(2)時間・時期に応じたグループ分け

(3)各グループでの活動内容を決める

(4)日程決め

(5)各回の準備として

(6)グループ活動での思い出

6.まとめ

第6章 キャリア・カウンセリング・プロジェクト(CCP)の効果と意義

1.CCPの効果?量的研究

(1)評価の方法

(2)実施と評価に関する倫理的配慮

(3)参加群と統制群のCCP実施前後の比較

(4)量的研究から見えてきたこと

2.CCPの効果?質的研究

(1)評価の方法

(2)“おしゃべり”の分析

(3)“おしゃべり”の時間を振り返って

3.まとめ

第7章 キャリア・カウンセリング・プロジェクト(CCP)と日常の養育・支援

1.職員へのアンケート調査の実施について

(1)職員の意識への影響

(2)アンケート調査の対象と内容等

2.アンケート調査内容のまとめ

(1)生活の中で将来と向き合う機会の少なさ?多忙な職員

(2)将来を思い描けない子どもたち

(3)職員の自立支援に対する意識の変化

(4)職員にとって子どもと将来・自立について話題にするきっかけとなる

(5)子どもが実際に将来のことについて考えるきっかけとなる

(6)子どもに見られる変化―継続して実施することの意義

(7)将来を考える風土の醸成?参加に積極的ではない子どもを参加へ導く

(8)職員が自身の将来展望やキャリア形成に目を向ける?職員を育成する機会

3.CCPに取り組む意義―支援者の視点から

(1)自立支援の在り方を見直す機会としてのCCP

(2)チームで子どもの自立を支える体制を整備する機会

(3)自立支援の内容を膨らませる機会?早期のリービングケアとインケア

(4)子どもと支援者が将来について取り組むきっかけ

(5)自立や将来のことについて考える風土を作る機会

第8章 キャリア・カウンセリングのワーク集

1.おとなの役割

2.伝える工夫

3.十分に時間をかける―将来展望を描くことが苦手な子どもへの対応

4.日常の支援との連続性?振り返りシートの作成

WORK1 おとなはどうやっておとなになったの?

WORK2 おとなの生活を知ろう

WORK3 いろいろなおとなの人生を知ろう

WORK4 大切にしたい価値観は何?

WORK5 自分にはどんな強みがあるのかな?

WORK6 人生を設計してみよう

WORK7 住みたい家を探そう

WORK8 2ヶ月人生体験ゲーム

WORK9 好きなことや得意なことからつながる職業を探そう

WORK10 興味のある職業を知ろう

WORK11 自分を表す履歴書をつくろう

WORK12 アルバイトの面接を受けよう

WORK13 職業調査隊

WORK14 ハローワークを訪ねよう

第?部  新たな自立支援の展開

第9章 生い立ちの整理から見たキャリア・カウンセリング・プロジェクト(CCP)

1.社会的養護における生い立ちの整理の取り組み

(1)生い立ちの整理を支援する手法?ライフストーリーワーク(LSW)について

(2)三重県における社会的養護の子どもたちに対する生い立ちの整理の実践

(3)子どもたちの将来にどうやって希望を持たせるか

2.生い立ちの整理とCCP

(1)CCPと生い立ちの整理の関連性

(2)CCPへの期待

第10章 キャリア・カウンセリング・プロジェクト(CCP)から見た生い立ちの整理

1.きっかけは寮職員の言葉

2.先行して取り組んでいたライフストーリーワーク(LSW)

3.LSWとCCPの実施例

(1)LSWを経験してからCCPに取り組んだ例

(2)CCPを経験してからLSWに取り組んだ例

4.未来の生き方を考えることは,過去の生き方を振り返ること

5.過去から未来へと続く連続体としての自分


コラム

COLUMN1 カンボジアの孤児院における子どもの自立

COLUMN2 子どもの貧困と自立支援

COLUMN3 特別支援学校に通う子どもの自立とその後

COLUMN4 社会的養護を要する若者たちの就労支援の取り組み

COLUMN5 多機関や地域との協働による「おしごとフェスタ」

COLUMN6 地域と協働した「お仕事体験」

COLUMN7 児童養護施設の子どもの自立

COLUMN8 里親家庭と自立支援

井出智博[イデトモヒロ]
著・文・その他

片山由季[カタヤマユキ]
著・文・その他

目次

第1部 理論的背景(生い立ちに困難を抱える子どもと将来展望;生い立ちに困難を抱える子どもの自立と自立支援;キャリア・カウンセリングの視点から;キャリア・カウンセリング・プロジェクト(CCP)とは)
第2部 実践(キャリア・カウンセリング・プロジェクト(CCP)の実際
キャリア・カウンセリング・プロジェクト(CCP)の効果と意義
キャリア・カウンセリング・プロジェクト(CCP)と日常の養育・支援
キャリア・カウンセリングのワーク集)
第3部 新たな自立支援の展開(生い立ちの整理から見たキャリア・カウンセリング・プロジェクト(CCP)
キャリア・カウンセリング・プロジェクト(CCP)から見た生い立ちの整理)

著者等紹介

井出智博[イデトモヒロ]
静岡大学教育学部准教授。2007年九州産業大学大学院国際文化研究科臨床心理学領域(博士後期課程)単位取得満期退学。乳児院、児童養護施設、情緒障害児短期治療施設セラピスト、スクールカウンセラー等を経て現職。社会的養護を要する子どもの心理的なケア、特に近年はレジリエンスや時間的展望の視点から子どもの暮らしと育ちを支えることに関心を持っている。臨床心理士。博士(文学)

片山由季[カタヤマユキ]
児童養護施設春光学園臨床心理士。1998年学習院大学文学部哲学科美学美術史系卒業。2004年京都文教大学大学院臨床心理学研究科博士前期課程修了・修士(臨床心理学)。臨床心理士。子ども支援センター、児童家庭支援センター、児童相談所児童心理司等を経て現職。虐待を受けた子どもたちの心のケアをはじめとし、近年は施設で暮らす子どもの生い立ちの整理(ライフストーリーワーク、LSW)、自立支援、個別学習支援、性教育等に力を入れている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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