出版社内容情報
支援の現場で「特性に合った支援目標とは何か」を伝え続ける著者の講演を書籍化!【はじめに】より
この本は支援者向け、親向け、パートナー向けのお話があります。いろいろな立場から発達障がいを見つめ、理解することで、さらに多くのことに気づくことができるでしょう。皆さんそれぞれ、ご自身の立場で一所懸命取り組んでいらっしゃいます。でも、支援者と当事者や家族との間で、あるいは支援者同士や家族同士で、やりたいことや目標がずれていることはありませんか? 一生懸命やっているのにわかってもらえないとつらいですよね。
「支援者向けの話を当事者が読む」「学校の先生が親向けの話を読む」のように、他の立場の方に向けた話を読むことで、共通目標を持つことの助けになるでしょう。
立場の違いによる知識や目標のギャップに気づき、両者の“文化”を理解した通訳者の存在が、幸せになるために重要です。
さて、発達障がいのノウハウ本がたくさん出版されている中で、この本を手にとってくださったあなたが知りたいことは何ですか?
初期の講演会では、ADHDの詳しい解説やノウハウを一つでも多くお伝えしたくて、弾丸のようにしゃべっていました。でも、ノウハウをたくさん伝えることが目的ではなく、参加者の皆さんのハッピーな時間が増えるように、その人が必要とする情報をゲットして、うまくいく条件を見つけ、行動に移すことが重要だと思うようになりました。そのためには、自分自身のことを振り返り、あなたの本当の目標を見つけ出すため、ご自身との対話が必要だと思います。
・障がいのある人や、たくさん失敗した人は、みんな不幸になるのでしょうか?
・幸福の条件は、障がいがないことでしょうか?
・みんなと同じになること、みんなと同じにさせることは幸福になるために大切でしょうか?
・失敗しない人生などあるのでしょうか?
・自分自身が、大切な人が、うまくいく条件を知っていますか?
最近、講演会では、このようなことを自問自答しながら、講演に来てくださる方ご自身にもお仕事、子育ての目標などを振り返っていただく時間になればと思い、お話しています。この本も、いろいろなことを自問自答しながら読んでいただければと思います。
さらに講演会の感想で、一つ一つの内容をもっと詳しく聞きたいというお声をよくいただきますので、大切なキーワードの解説をしています。また、実生活で活用できないというお悩みも多く聴きますので、具体的なQ&Aを章ごとにつけました。
発達障がいがあったり、その傾向のある人は、変わりたいのに変われない、うまくいく条件がなかなか見つからない、見つかっても実際にできない、と感じているかもしれません。
でも、何かを少し変えれば、あなたの未来は必ず変わり、時には、大きな変化につながることでしょう。何を変えるか、それはいろいろな人に相談し、いろいろな本を読み、最終的には「あなたが決める」ことです。
この本を読んだ方が、何かに気づき、うまくいく方法を知り、実際にやってみて、ハッピーと感じる時間が1秒でも長くなることを心から祈っています。
【97年、アメリカ留学から帰国したその日から、全国各地で毎年100回以上講演し
真の支援とは何かを伝えつづける著者の声が、ライブ講義集として書籍化!】
はじめに
ライブ1 発達障がいがあってもよりよい人生を
1 おもな発達障がいの種類と基本的な特性
2 障がいは理解と支援で個性になる―ICFの考え方
3 支援には効果的な順序がある―マズローの欲求の階層
4 見立ての新しい視点―神経心理ピラミッド
5 実行機能と薬
6 発達障がいの特性は才能にもある
7 日本特有の課題
Q&A
発達障がいと決めつけるのはよくないのでは?
専門機関との連携はどのようにしたらいいですか?
ライブ2 支援者の人たちへ?支援で変わる人生の質?
1 4つの質問
2 真の支援目標は何か
3 障がいを特性に変えるための教育
4 幸せになるために大切なこと
5 アドバイスが相手の怒りのスイッチを入れる?
キーワード
【虐待と愛着障がい】
【学習スタイル】
Q&A
通常クラスで特別支援をしたいのですが……
支援に使える時間がなくてフラストレーションがたまります
ライブ3 親御さんへ?親子で幸せになるために?
1 子育てストレスを軽くするヒント
2 お母さんの愛情はこうすれば伝わる
3 普通って何?パステルゾーンという育て方
4 何を育てるべきか―3つの力―
5 診断名がつくということ
キーワード
【安心感の輪】
【4つの行動の分類】
Q&A
我慢の練習はしなくてもいいのですか?
外で走り回る子に怒ってしまいます
ライブ4 発達障がいのあるパートナーと暮らすあなたへ
1 カサンドラ症候群とは
2 パートナーがASDだと、ナゾがたくさん
3 関係を悪化させる行為 良くする行為
4 「異文化理解」でスムーズに
キーワード
【NG対応とOK対応】
【事実とシナリオを分ける】
Q&A
奥様の理解が得られず、支援が進みません
周囲につらさを理解してもらえないです
おわりに
【こんな方にぜひ読んでいただきたい本です】
・どうしたら自分は幸せになれるのかと考えている当事者の方
・どうしたら支援したい人は幸せになれるのかと奮闘する支援者の方
・どうしたらみんなで幸せになれるのかとがんばっているご家族の方
高山恵子[タカヤマケイコ]
著・文・その他
内容説明
診断名にこだわらず、その人の特性の理解と幸せになるために大切なことは何か―それは他の人と比較せず、その人に合った目標を見つけ、共通にし、一緒にうまくいく方法を考え、実践すること―。全国各地、支援の最前線で、当事者でもある高山恵子氏が届ける声を、ライブ感そのままに書籍化!
目次
1 発達障がいがあってもよりよい人生を(おもな発達障がいの種類と基本的な特性;障がいは理解と支援で個性になる―CFの考え方 ほか)
2 支援者の人たちへ―支援で変わる人生の質(効果的な支援のための4つの質問;真の支援目標は何か ほか)
3 親御さんへ―親子で幸せになるために(子育てストレスを軽くするヒント;失敗しても大丈夫―安全基地の作り方 ほか)
4 発達障がいのあるパートナーと暮らすあなたへ(カサンドラ症候群とは;パートナーにASDがあると、ナゾがたくさん ほか)
著者等紹介
高山恵子[タカヤマケイコ]
NPO法人えじそんくらぶ代表。ハーティック研究所所長。臨床心理士。薬剤師。昭和大学薬学部兼任講師。昭和大学薬学部卒業後、約10年間学習塾を経営。アメリカトリニティー大学大学院修士課程修了(幼児・児童教育、特殊教育専攻)、同大学院ガイダンスカウンセリング修士課程修了。児童養護施設、保健所での発達相談やサポート校での巡回指導で臨床に携わる。ADHD等高機能発達障害のある人のカウンセリングと教育を中心に、ストレスマネジメント講座等、大学関係者、支援者、企業等を対象としたセミナー講師としても活躍中。また、中央教育審議会専門委員や厚生労働省、内閣府等の委員を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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