出版社内容情報
80年代にミッチェルらによって創始された関係精神分析は,フロイト以来の精神分析の流れを「関係性」の視点からとらえなおし,患者の欲動に焦点を当てる古典的な精神分析を,患者と治療者の現実の二者関係を強調する新しい精神分析へと生まれ変わらせた。米国を席巻する新たな潮流の入門編。
目次
第1部 関係精神分析とは何か(関係精神分析の展望;関係精神分析の成り立ちとその基本概念について;関係精神分析の感性の起源―対象概念の復権という視点から)
第2部 関係精神分析成立に貢献した人々(ミッチェルの功績;グリーンバーグの功積―ラジカルな中道派;ギルの功績;コフート、ストロロウの功績;サリヴァンの功績)
第3部 関係精神分析のさまざまな論理的基盤(関係精神分析と自己心理学;システム理論との違い;関係精神分析と乳児研究;関係精神分析と生物学的な研究;関係精神分析と複雑系の理論;ホフマンの業績と構築主義的精神分析)
第4部 関係精神分析の治療と技法(ミッチェルの治療論;関係精神分析の治療技法)
著者等紹介
岡野憲一郎[オカノケンイチロウ]
1982年東京大学医学部卒業、医学博士。1982~85年東京大学精神科病棟および外来部門にて研修。1986年パリ、ネッケル病院にフランス政府給費留学生として研修。1987年渡米、1989~93年オクラホマ大学精神科レジデント、メニンガー・クリニック精神科レジデント。1994年ショウニー郡精神衛生センター医長(トピーカ)、カンザスシティー精神分析協会員。2004年4月に帰国、現職:国際医療福祉大学教授。米国精神科専門認定医、国際精神分析協会、米国及び日本精神分析協会正会員、臨床心理士
吾妻壮[アガツマソウ]
1994年東京大学文学部卒業。1998年大阪大学医学部卒業。2000~2009年米国にて、アルバート・アインシュタイン医科大学精神科レジデンシー修了、コロンビア大学精神分析センターおよびウィリアム・アランソン・ホワイト研究所にて精神分析の訓練を受ける。2010年より、大阪大学大学院医学研究系研究科精神医学教室所属。米国精神分析学会(APsaA)正会員、同学会認定およびホワイト研究所認定精神分析家、医学博士、臨床心理士
富樫公一[トガシコウイチ]
1995年愛知教育大学大学院教育学研究科修士課程修了。2001~2006年NPAP精神分析研究巡、TRISP自己心理学研究所(ニューヨーク)に留学。2003~2006年南カリフォルニア大学東アジア研究所客員研究員。現職:広島国際大学大学院准教授、TRISP自己心理学研究所精神分析家、栄橋心理相談室精神分析家。ニューヨーク州精神分析家ライセンス、臨床心理士、博士(文学)、NAPP精神分析学会認定精神分析家、国際自己心理学会国際評議委員、International Journal of Psychoanalytic Self Psychology国際編集委員
横井公一[ヨコイコウイチ]
1982年金沢大学医学部卒業。1993~1996年アルバート・アインシュタイン医科大学トランスカルチュラル・サイカイアトリー・フェーローおよびウィリアム・アランソン・ホワイト研究所に留学。現職:関西福祉科学大学大学院社会福祉学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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