内容説明
ウッダーラカ・アールニ、プラトン、ナーガールジュナからレヴィ=ストロース、そして現代哲学までを総動員する東西哲学・思想の対話の試み、その最前線。仏教と哲学、2500年の対話。
目次
第1部 二辺を離れる―上七軒講義
第2部 『吽字義』考
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本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
内島菫
18
構造主義や脱構築が、二項対立の二重性をいわば直線的・並列的に無限遡行させて閉じない行き止まり感に覆われていたのに対し、著者の提唱するトライコトミーは二重性の戯論ではなく、多元性の切り取りとして二項対立を三種ツイストさせ媒介と縮約の循環構造を形作る。それは縦糸に空海あるいは仏教の「相依性」「含むと含まれる」「一と多」を、横糸にはレヴィ=ストロースやハーマンといった西洋思想の「主体と対象」「内と外」「一と多」を織り込んで展開された、壮大な宇宙のタペストリーのようだ。2023/06/14
Tenouji
10
ゲーデルの不完全性定理により論理の世界に神は存在しないことになっているんだが…レンマというものをもう少し詳しく知りたくなった。2023/08/20
れどれ
4
前半に鼎談仕立ての講義、後半に空海の『吽字義』についての論説という二部構成で、前書きにある通り、それぞれを往還することで理解が深まる仕掛けとなっている。一読では理解が困難な『吽字義』論についての何よりの補説が収録されているわけで、繰り返し繰り返し読みたくなる見事な構成。この本を離れたところで哲学に触れたなら、その度またこの本を読めば一層、いや二層三層深みに潜れる気がする。知と理によって導かれる非ロゴスの世界へのいざない。2023/09/29
ishii.mg
2
前段の講義編、あまりに高度なやりとりで全くついて行けず。後段の吽字義考は、ゆっくりと解きほぐすような説明でぼんやりと何ものかをつかんだような気がする。わかるでもなく、わからないでもない。空海密教、仏教の深淵を火口の淵からちょっとだけ覗いたつもりになった。2024/01/30
ゆうちゃん
0
古代に空海によって興された日本人の哲学。一部の国家群を除いては世界各国から賞賛されている日本人の国民性を現しているような考え方。2024/10/12
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