内容説明
国境を越え変化しつづける未来へ!自明視された均質な日本像を覆し、複数の伝統が時間と空間の中で織り直され境界線を越えていく姿を展望する。日本研究の基本図書。
目次
第1章 はじめに
第2章 日本
第3章 自然
第4章 文化
第5章 人種
第6章 ジェンダー
第7章 文明
第8章 グローバリゼーション
第9章 市民権
著者等紹介
モーリス=スズキ,テッサ[モーリススズキ,テッサ] [Morris‐Suzuki,Tessa]
1951年イギリス生まれ。英ブリストル大学卒業、バース大学大学院博士号取得。現在オーストラリア国立大学教授。専攻は日本経済史、日本思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mealla0v0
4
人種や文化、日本論としての文明論、市民権やグローバリズムといった、中心と周辺、内部と外部を切り分けるような装置の日本的な布置に向き合うことが本書の課題である。今回の関心は3章で論じられる「日本人の自然観」だが、「西洋」に対して言及される自然との調和に異議が述べられ、日本の開発思想の源流が指摘される。徳川時代、本草学は農業技術に着目し、自然の開発を行う知であった。「開物」は自然を開き、有効活用するものであった。この開物は国家神道を通過することでナショナルな実践に結びつき、明治初期の工業化の思想的基礎を与えた2023/07/04
marukuso
0
自然・人種・文化・文明・市民権・グローバリゼーションといった9つのテーマにそって<日本>を解読する。過去の日本の多くの論者が見過ごしてきた問題点を指摘し、新たな日本像を提起することで、「再発明」というタイトルなのだろう。難しくてよくわからない点が多々あり、勉強不足を実感。この本は90年代に原書が出ており、それを今になって訳したものだが、中身は全然古びておらず、むしろ今の方がよりリアリスティックに感じられる問題ばかりであった。日本論の新たな基本書となるだろう。2014/09/24