内容説明
冷戦終焉の直後から大震災の直前まで、世紀をまたぎ『現代思想』に毎月書き続けられた編集後記。世界の哲学・思想の最先端から政治・社会・文化の現状に鋭く斬りこみ、ネオリベラリズムにいち早く警鐘を鳴らし、「他者」「マイノリティ」の声に耳を澄ませながら新しい理論、運動、文化を次々に導入した旺盛にしてスリリングな活動の軌跡。
目次
グノーシス主義
メディアとしての人間
脱神話する「古事記」
ドーキンス
“流行病”のエピステーメ
南方熊楠
生命機械
風景生態学
フーコーのアメリカ
形とは何か〔ほか〕
著者等紹介
池上善彦[イケガミヨシヒコ]
編集者。1956年、岡山県生まれ。1983年、一橋大学社会学部卒業。1991年、青土社に入社して以来20年間、月刊誌『現代思想』の編集に携わる。1992年2月号から同誌の編集後記を書きはじめ、1993年から2010年まで編集長を務める。現在はフリー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
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失われた20年を回顧するときに、辞書的に活用したい本。目次だけみても、フーコーは繰り返し出てくる時代を問わず、注目されていることに気づかされる。思想家半分、時のキーワード半分というような配分になっているような気もする。カルスタ、民衆、障がい者、ブルデュー、ホームレス、イラク戦争、大学、貧困、主体、家族など、キー概念を拾っても、日本や世界の変容が問われる切り口である。評者は貧困問題を大学で研究する学生が増えるといいと思っている。どんな社会なら人口減少社会に歯止めが利くか、インドと真逆の日本だから問われるか。2012/11/10
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