内容説明
性と肉体にまつわる最も私的で親密なものこそ最も政治的である。植民地での性関係と「混血」の存在が本国の「国民」を脅かし、帝国の生政治を作動させた。フーコーの「人種」言説分析とフェミニズムの最先端から従来の歴史学と人類学を解体する「感情の政治学」。
目次
第1章 親密なるものの系譜―植民地研究の現在
第2章 植民地的範疇を再考する―ヨーロッパ人社会と支配の境界
第3章 肉体の知識と帝国の権力―人種の構築におけるジェンダーと道徳
第4章 性の恥辱と人種の境界―文化的能力と混血のあやうさ
第5章 感情教育―帝国における境界線上の子供たち
第6章 フーコーを植民地的に読む―ブルジョワ的身体と人種的自己
第7章 ジャワにおける記憶‐すること―警告する物語
エピローグ―安全地帯と比較の枠組への抗議
著者等紹介
ストーラー,アン・ローラ[ストーラー,アンローラ][Stoler,Ann Laura]
1982年コロンビア大学博士号取得。ミシガン大学教授をへて現在ニューヨークの高等学術研究所(School for Advanced Research)教授。スマトラ島のプランテーション会社の労務管理を研究したのち、かつての蘭領東インドを中心として広範にわたる帝国の比較研究に従事
永渕康之[ナガフチヤスユキ]
1959年生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科退学、博士(人間科学)。現在、名古屋工業大学大学院工学研究科教授。著書に『バリ島』(講談社現代新書、1998年、サントリー学芸賞受賞)など
水谷智[ミズタニサトシ]
1974年生まれ。オックスフォード大学歴史学部博士課程修了、博士(近代史学)。現在、同志社大学言語文化教育研究センター専任講師
吉田信[ヨシダマコト]
1969年生まれ。神戸大学大学院法学研究科中退、修士(政治学)。現在、福岡女子大学文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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