国力論―経済ナショナリズムの系譜

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  • サイズ B6判/ページ数 221p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784753102617
  • NDC分類 331.2
  • Cコード C0010

内容説明

経済ナショナリズムは、危険な異端思想なのか?近代西洋思想の古典を斬新な切り口で解釈し、そこに隠されていた経済ナショナリズムの理論を現代に甦らせる、保守的にして革新的な論考。イギリス民族学会(ASEN)賞を受賞した若手経産官僚による衝撃のデビュー作。

目次

序章 正統と異端
第1章 もうひとつの政治経済学―ハミルトンとリスト
第2章 国力論の源流―ヒューム
第3章 国力の哲学―ヘーゲル
第4章 裏切られた創始者―マーシャル
第5章 経済理論とナショナリズム
終章 経済ナショナリズムの可能性

著者等紹介

中野剛志[ナカノタケシ]
1971年、神奈川県生まれ。1996年、東京大学教養学部教養学科(国語関係論)を卒業後、通商産業省(現経済産業省)に入省。1999年より3年間、英エディンバラ大学大学院に留学し、政治思想を専攻。2000年同大学院より優等修士号(Msc with distinction)取得。2003年同大学院在学中に書いた論文が、イギリス民族学会(ASEN)Nations and Nationalism Prizeを受賞。2005年同大学院より博士号(社会科学)を取得。現在、経済産業省資源エネルギー庁新エネルギー対策課課長補佐。また月刊誌『発言者』に評論を発表。現在、隔月誌『表現者』に評論を連載中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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KAZOO

92
中野さんが一番最初に出版した本で最初は内容的な面から大手出版社は二の足を踏んだようです。確かに言っておられることは経産省が30年以上も前に主張していたことを蒸し返しているからでしょう。ある意味民族主義ですよね。いまのグローバリズムに反しているのでしょう。私はいい本だと思いました。自分が学生時代に戻らされたような気がしました。2018/02/28

うえ

5
「ヒュームは「国内産業の増大が、国際交易の基礎」であり、「政府は、注意して国民と国内製造業を維持する理由は大いにある」とも述べている。ヒュームの経済的関心は、一貫して、国内の産業発展に向けられていた。A・スキナーが適切にも指摘するように、「ヒュームの著作には、明らかな自由貿易支持論がある一方で、彼は、政府介入が有益であり得ることも認識していた」のてある。もし、ヒュームが、国際貿易の基礎たるブリテンの国内産業が脅かされたことを確認したら、彼は保護貿易や産業政策を主張したであろう。」2024/10/28

freebird

4
「経済ナショナリズムとは何か」ということを知りたかったら『経済はナショナリズムで動く』を読んだほうがいい。こちらは、経済ナショナリズムが実は重要なんだ、といったようなそのすごさの証明を、対立する経済自由主義の陣営にいるとされてきた論者などの主張を再確認して、彼らが実は経済ナショナリストだったのだ、と再主張することなどを通じて導き出す。よくも悪くも堅い本。一応、経済ナショナリズムの重要な要素についても語っているので読む価値は十分あるけれども。2008/12/09

Mealla0v0

3
自由主義経済学、マルクス主義経済学に対する第3派としての経済ナショナリズムの確立を目指すことが本書の使命である。実際の経済は国民のためにあるべきであり、この思想に連なるのはリスト、ハミルトンはもちろん、これまで別系統で理解されてきたヒューム、ヘーゲル、マーシャルであるとされる。本書ではナショナリズムを、人種、階級などを越えて共生を可能とする連帯の原理と捉え、経済ナショナリズムを国民が富を生み出す能力だと捉えている。本書は系譜を描き出すというよりは、むしろ体系化していく作業であり、ある種の祖述=翻訳である。2022/08/19

Humbaba

3
国力を考えるときは,その国の持っている価値だけではなくて,その国がどれだけ価値を生み出せるのかを直視することが重要である.市場の声という考え方もあるが,それが実際に上手く機能するのはほぼ理想論でしか無い.2010/11/25

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