内容説明
国家、戦争、ポピュリズム、階級、テロリズム…新自由主義世界の核心を知るための珠玉の論文集。
目次
第1部 帝国、世界システムと資本の国際化(帝国の発展路線―世界システムの転換;新しい世界秩序―国家の国際化;帝国とマルチチュードの構成的権力―アントニオ・ネグリへのインタヴュー)
第2部 帝国における階級闘争とマルチチュード(農民世界の薄明―帝国における階級分析のために;国家に抗する社会―クラストル、ドゥルーズ、ガタリ、フーコーについての覚書;マルチチュードの存在論的規定;マルチチュードの逃亡線―ジェノバとニューヨーク以後の短い電子メモ)
著者等紹介
アトゥツェルト,トマス[アトゥツェルト,トマス][Atzert,Thomas]
翻訳家、雑誌Subtropen(亜熱帯)の編集者
ミュラー,ヨスト[ミュラー,ヨスト][M¨uller,Jost]
文学者、政治学者、Subtropen(亜熱帯)の編集者。現在、ウィーン大学とフランクフルト大学で教鞭をとる
島村賢一[シマムラケンイチ]
1959年生まれ。東京外国語大学卒業、東京都立大学院社会科学研究科修士課程修了、同大学院同学科博士課程中退。ドイツ・ビーレフェルト大学社会学部研究助手、国際技能振興財団主席研究員。現在、LEC(東京リーガルマインド)大学・世田谷区老人大学専任講師、放送大学・東邦大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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e.s.
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ハートは、20世紀後半、中国、ラテンアメリカなど第三世界を中心に、農民こそが反資本主義的で革命的な存在として呈示されるようになったと語る。日本でも68年の敗北以後、左派の農村エコロジーへの撤退に垣間見られた事態である。ハートはまた、農業生産においても情報技術のファクターが決定的なものになると語るが、これは、農村エコロジーからITという、いわばニューエイジ的なもの(S・ジョブズに代表される)へのシフトを容易に想像させる。もしあったとしてだが、日本の農的エコロジーと情報技術の結合を分析する必要があるだろう。2015/05/17