内容説明
『道徳形而上学の基礎づけ』は、言うまでもなく、『実践理性批判』とならんで、カントの実践哲学の精髄を伝える代表作である。ページ数では『実践理性批判』よりも少なく、それにわれわれにとって身近な道徳問題を出発点としているので、これまで哲学や倫理学を学ぼうとする学生諸君の手引きとしてよく読まれてきた。大学の演習においても採用される頻度は多いはずである。訳者も北大でこれまですでに三回にわたってこの書物を演習で取り上げ、学生諸君と一緒に読んできた。そういういきさつもあって、一度自分で納得できる全訳を試みたいと念じていたが、それが完成したのが本書である。
目次
第1章 通常の道徳的理性認識から哲学的な道徳的理性認識への移行
第2章 通俗的な道徳哲学から道徳形而上学への移行(道徳性の最上の原理としての意志の自律;道徳性のあらゆる不純な原理の源泉としての意志の他律;他律という根本概念の採用から生ずる道徳性のあらゆる可能な原理の分類)
第3章 道徳形而上学から純粋実践理性批判への移行(自由の概念が意志の自律を解明するための鍵である;自由はあらゆる理性的存在者の意志の特性として前提されなければならない;道徳性の諸理念に伴う関心について;定言命法はいかにして可能であるか;あらゆる実践哲学の究極の限界について)
著者等紹介
宇都宮芳明[ウツノミヤヨシアキ]
1931年生まれ。東京大学大学院博士課程退学。北海道大学教授を経て、現在北海道情報大学教授、北海道大学名誉教授
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感想・レビュー
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