道徳形而上学の基礎づけ (新装版)

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  • サイズ B6判/ページ数 226,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784753102341
  • NDC分類 134.2
  • Cコード C3010

内容説明

『道徳形而上学の基礎づけ』は、言うまでもなく、『実践理性批判』とならんで、カントの実践哲学の精髄を伝える代表作である。ページ数では『実践理性批判』よりも少なく、それにわれわれにとって身近な道徳問題を出発点としているので、これまで哲学や倫理学を学ぼうとする学生諸君の手引きとしてよく読まれてきた。大学の演習においても採用される頻度は多いはずである。訳者も北大でこれまですでに三回にわたってこの書物を演習で取り上げ、学生諸君と一緒に読んできた。そういういきさつもあって、一度自分で納得できる全訳を試みたいと念じていたが、それが完成したのが本書である。

目次

第1章 通常の道徳的理性認識から哲学的な道徳的理性認識への移行
第2章 通俗的な道徳哲学から道徳形而上学への移行(道徳性の最上の原理としての意志の自律;道徳性のあらゆる不純な原理の源泉としての意志の他律;他律という根本概念の採用から生ずる道徳性のあらゆる可能な原理の分類)
第3章 道徳形而上学から純粋実践理性批判への移行(自由の概念が意志の自律を解明するための鍵である;自由はあらゆる理性的存在者の意志の特性として前提されなければならない;道徳性の諸理念に伴う関心について;定言命法はいかにして可能であるか;あらゆる実践哲学の究極の限界について)

著者等紹介

宇都宮芳明[ウツノミヤヨシアキ]
1931年生まれ。東京大学大学院博士課程退学。北海道大学教授を経て、現在北海道情報大学教授、北海道大学名誉教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hitotoseno

4
『純理』を自信満々で上梓したは良いもののあんまりにも難しかったせいで誤解されまくったから仕方なく『プロレゴメナ』を書かざるをえなかった、という経験から学んだカントさんは『実理』を書く前にもう面倒な手間をとらないためにもあらかじめ入門書を書いてしまおうと思い立ちこれを書くことになった……のかはしらないが、ともかくこれを読めば『実理』の入門になること間違いなしである。とはいえ、単なる解説ではない。カントが『実理』の序文で書いている通り、「純粋理性」と「実践理性」は分離できるものではない。2016/05/15

K.K

2
この本は、他出版社の文庫本よりは少し高価ですが、宇都宮氏による、わかりやすい解説があり、何かとされるカントを限りなく読みやすくしており、カントの勉強にはちょうどいいかと思います。内容も、カントの著作の補稿のようなスタイルで、倫理観から、カントの英知界にはじまる形而上学的思考まで網羅しており、カントのすべてを鳥瞰するにはぴったりです。2012/09/23

関 峻之介

1
定言命法はまた次のようにも表現できる。「自分自身を同時に普遍的自然法則と見なすことができるような格率に従って行為せよ」、と。(p.152)2018/05/05

チネモリ

1
 カント道徳哲学の入門書。『批判書』に比べれば分量は少ないが、カント哲学のエッセンスが含まれていると思う。われわれの「常識」から出発して「道徳法則」を導き出す過程で、人間の経験や感覚を徹底的に排除して「理性」で考え抜く彼の態度は一貫している。一方で人間は「英知界」と「現象界」に同時に存在していることも認めている。『第二批判』『第三批判」を読み進める上でも欠かせない。カント道徳哲学を理解する本として基盤となる1冊である。翻訳も分かりやすい。2017/06/23

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