内容説明
「テロとの戦争」の当面の結果が、アフガニスタンの徹底的な破壊であり、さらには「最悪」を更新し続けるパレスチナの惨状である。「テロリスト」ならどんな手段で撲滅してもかまわない、いや「文明世界」の安全のために殲滅しなければならない。ブッシュとその仲間がそう宣言し、世界の主要国の首脳たちがそれを認めて以来、すでに虐殺の責任を問われているアリエル・シャロンのような人物が、大手を振って「正義」を執行する。9.11以後の世界の変質に警鐘を鳴らす。
目次
これは「戦争」ではない―世界新秩序とその果実
ヴァーチャル植民地としての世界
アメリカの崩壊が始まった―「報復戦争」の文明論
恐怖との戦争―グローバリゼーション下の安全保障体制
カンダハルに降る義足の雨
ウンタマギルーの眉間の槍
フォンタナ広場を掠めた妖怪
イスラエルにおける「テロとの戦争」
マンハッタンの晴れない霧
著者等紹介
西谷修[ニシタニオサム]
1950年愛知県に生まれる。東京大学法学部卒業、パリ第8大学留学。明治学院大学(フランス文学)を経て、現在、東京外国語大学大学院教授(思想文化論)
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