内容説明
日本の生活文化の近代化は、椅子式生活の普及率と密接に関連する。明治、大正、昭和と椅子式生活が、日本人の生活に深く浸透していくなかで、本書は、椅子に座り慣れない日本人が、快適に座れる椅子、そして機能的な椅子をどのように考案してきたかについて、特許と実用新案という記録に残る資料(申請書の内容と年月日、家具の図面、考案・権利者の氏名・住所)を土台にして、日本の近代家具の流れをまとめたものである。
目次
序章(「特許家具」が意味するもの;日本における特許制度の発足 ほか)
1章 明治期の特許家具(明治期の椅子・寝台類に関する工業所有権;明治期の卓・机類に関する工業所有権 ほか)
2章 大正期の特許家具(大正期の椅子・寝台類に関する工業所有権;大正期の卓・机類に関する工業所有権 ほか)
3章 昭和前期の特許家具(昭和前期の椅子・寝台類に関する工業所有権;昭和前期の卓・机類に関する工業所有権 ほか)
終章 特許家具をめぐって(遺っている特許家具;特許家具の復元販売 ほか)
著者等紹介
宮内〓[ミヤウチサトシ]
1933年新潟県に生まれる。1957年千葉大学工学部建築学科卒業。パシフィツクハウス・ジャパン、岩手大学助教授、九州芸術工科大学教授を経て、1992年拓殖大学教授、現在に至る。工学博士、日本デザイン学会名誉会員。日本デザイン学会賞(1991)日本デザイン学会。日本産業技術史学会賞(1992)日本産業技術史学会
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