出版社内容情報
岩手県二戸市。だれもいない山奥で、豆腐を作り続ける、ミナおばあさん。目の不自由な彼女が、90歳をこえ、手で動かす道具だけで作り続けた、豆腐の味。その日々の姿と声を伝えます。16年に渡る取材から生まれた写真絵本。
内容説明
90歳のミナさんは今日も明日も、豆腐を作り続ける。谷川俊太郎が感動した写真絵本。
著者等紹介
大西暢夫[オオニシノブオ]
1968年生まれ。写真家。映画監督の本橋成一氏に師事。1998年からフリーカメラマンとなる。25年間の東京での暮らしから、現在は生まれ育った岐阜県揖斐郡池田町に拠点を移す。ドキュメンタリー映画『水になった村』(2007年)で第16回EARTH VISION地球環境映像祭最優秀賞を受賞。写真絵本『おばあちゃんは木になった』(ポプラ社)で第8回日本絵本賞、『ぶたにく』(幻冬舎)で第58回産経児童出版文化賞大賞、第59回小学館児童出版文化賞を受賞。『ホハレ峠』(彩流社)で第36回農業ジャーナリスト賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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☆よいこ
85
写真絵本。分類619。岩手県二戸市浄法寺町の山の中で、ひとり豆腐店を営む90歳のおばあちゃんがいる。小山田豆腐店の小山田ミナさんは、石臼(ひき石)で二升五合の大豆を挽き、薪で炊いて24丁の豆腐をつくる。幼い頃から弱視で、あまり目の見えないおばあちゃんは、手探りで豆腐をつくってきた。ひき石も100年以上使われてきたもの▽暖かな蒸気、柔らかなシワのひとつひとつが優しい。2024.4刊2024/08/12
MI
76
岩手県でお豆腐屋を営んでいるナミさんの話。90歳を超えてもなお毎日大豆を石引で引いて昔ながらの豆腐づくりを行なっている。丁寧に暮らすことの大切さとナミさんの温かさを感じた2024/07/15
とよぽん
66
ひき石? に引きつけられた。新着図書の棚に、大西暢夫さんの写真絵本を見つけて。岩手県二戸市の山中に、小山田ミナさんの豆腐屋がある。10歳頃から目の病気で、19歳でほぼ見えなくなる。70歳になってから豆腐屋さんを始めて20年。毎日、早朝からひき石で大豆をすりつぶし、煮立たせて豆乳をしぼる。にがりを入れて混ぜ、重石をのせ水を切る。24丁の豆腐ができあがる。「手間はかかる仕事だけど、こうしないと伝えられないことを教えてくれたのだ」と。どんな味がするのだろう。食べに行きたい。2024/06/07
けんとまん1007
65
手間をかけること。時間をかけること。丁寧にすること。それを考えることは、日々の営みを考えることになる。毎日、同じようで、決して同じではない。それは、毎日、作られる24丁のとうふに表れる。ご自分の体力・体調と相談されながらも、作り続けられることの凄さを感じざるを得ない。とうふ1丁には、手間と時間と思いがふんわりと詰まっている。2024/08/26
はる
54
岩手の山奥、ただひとりで豆腐店を営むミナおばあちゃん。90歳のミナさんは目が不自由にもかかわらず、絶品の豆腐を造り続けている。その工程を追いつつ、彼女の半生をポツリポツリと語っていく。写真はもちろん、文章も秀逸。おばあちゃんの温かな笑顔が、出来たての豆腐の湯気の向こうで輝いている。2024/11/21