出版社内容情報
公園の子猫は、片目が目やにでふさがり、鼻の穴に鼻水がかたまって苦しそう
に呼吸していました。病院で入院することになりましたが、心配でたまりませ
ん。家の猫たちと暮らせるようになり、子猫に名前がつけられるまでの物語。
2006年に絵本の形で出た本をもとにし、表紙、判型、ページ数の変更、新た
な絵を加え、あとがきを改稿したものです。
内容説明
これは、わたしが1ぴきのこねこに出会ったときの、物語です。
著者等紹介
とりごえまり[トリゴエマリ]
1965年、石川県に生まれる。金沢美術工芸大学商業デザイン科卒業。絵本の他に、広告、装丁、小児科ホスピタルアートの絵なども手がける。近年は個展開催、グループ展に参加も多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
96
【にゃんこまつり2024】 絵本作家のとりごえまりさんが野良の子猫に出会い家族の一員となるまでを記した実話です。猫の可愛いらしさの強調も、お涙ちょうだいの演出もないドキュメンタリーです。可愛い可哀想… それだけではすみません。自宅にいる猫たちとの相性、彼らの命にかかわる伝染病の有無。たくさんの不安も葛藤も記されています。一度抱いたからには最後までどう責任を取るか、一つの小さな命の在り方を問うてきます。名前を付けてもらったこの子は幸いでした。失われる運命の命がひとつでも救われることを願っています。2024/02/17
馨
47
実話。野良猫の子猫が一人でいた。気になって病院に連れていき元気になったら引き取って家族の一員になった。ニヤと名付けてもらった猫の話。いい話。野良猫ちゃんたち、気丈に振る舞っているけど、病気の子とか結構いるんだろうな。放って置くと助かる命も助からない。殺処分される猫が減ってほしいと思います。2024/02/04
nyanco
46
とりごえまりさん、お初でした。かわいい猫を膝に抱える表紙、タイトルから子猫を拾ったのかな、と思う表紙でした。 片目が塞がった子猫に出会ったしまった。 牛乳を与えている人がいたり、先住猫がいるので一旦迷うが、やはり気になって戻るが子猫は見つからない・・・ 子猫の事を心配する気持ちに、こちらもぐっと引き込まれる。なんとか見つけ、病院に連れて行くが、先住猫との暮らしを心配してしまう。 ペットブーム、猫ブームの今、可哀想な子猫を拾って飼いましたと綺麗事だけで物語を終わらせていないところがとても良かったです。 2023/11/30
ぶんこ
37
夜更けの夫との会話で、捨てられたらしい子ネコが気になり探しに行く夫婦。その日は見つけられませんでしたが、翌朝再度探しに行くと、片目が目やにで塞がれた子ネコを発見。即病院に行き、治療、検査入院を経て自宅へ。先住猫2匹とは別室で様子見。感染症も問題なしとなり、少しずつ先住猫と慣れさせる。著者の膝で丸くなりゴロゴロ。一緒に寝ているとあって、羨ましいくらいの可愛さ。捨て猫と殺処分の現状も書かれており、この本を読むことで、もし子ネコを見つけた時の対処法が分かります。2023/12/27
k sato
29
路頭に迷うぼっちの子猫を見つけたらどう行動すべきか。答えられない自分が情けない。この本は作者が子猫を拾い家に迎え入れるまでの実話。子猫はもう名無しじゃない。目やにで片目が閉じ鼻水が固まって息苦しそうな子猫。自宅には二匹の先住猫がおり感染症があったら引き取れない。そんな人間の都合を考えるより面前の命を救うことが私の責務だ。作者がとった行動からは葛藤より使命感が強く感じられた。引き取った子猫を膝に抱いた作者は人慣れしていることに気づき実は捨てられ猫なのではないかと悟った。私は人間の身勝手さに苛立ちを覚えた。2024/03/22