出版社内容情報
子どもの目にしか見つけられない石を採取する、クローン少年たち。22号は、ある日突然姿を消した仲間を探す旅に出るが……。
美しい文と絵で今を生きる多感な十代に贈る、文芸絵本。
ユニークな言語感覚で、きらめく世界を描き出す歌人・小説家の雪舟えまと、一線で活躍する新鋭イラストレーター・漫画家のカシワイが、今を生きる多感な十代に贈ります!
内容説明
舞台は、地球人によるこの宇宙のどこかの植民星。子どもの目にしか見つけられない石を採取するのが仕事の、クローン少年たち。やがて成長して、その役目を果たせなくなる時が。主人公の37922号は都会へ出て、宿舎からある日忽然と姿を消した、かつての彼の相棒を探す旅に出ました。
著者等紹介
雪舟えま[ユキフネエマ]
1974年札幌市生まれ
カシワイ[カシワイ]
イラストレーター・漫画家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ままこ
93
クローンの物語はタブーとか物哀しいイメージがあったけどこのナニューク達は違った。普通の人と同様唯一無二の存在だということを主人公を通して感じられる。優しくほんわかとした抒情的な挿絵多めのショートSF。カシワイさんの淡々とした幻想的なイラストがこの作品に合っている。2019/02/01
けんとまん1007
63
ふんわりした優しいものがたり。近未来でありながら、古の味わいもある、いい意味での不可思議さがある。人であれ何であれ、自分の思いを大切にすることの意味。変に押しつけがましくなく、寄り添うという視点。2021/02/13
野のこ
62
ナニュークというクローンなのに、私たちみたいにそれぞれ個性があってそれが自然で、自由さや曖昧さが心地よかったです。SFはやや苦手ですが、これはさらっと読めて爽やかな読み味。イラストや漫画のページも素敵で、えまさんの文章とぴったりでした。そういえば「凍土二人行黒スープ付き」もカシワイさんの装丁でこれも雰囲気が好きだった。隠児石の星空がキレイで、すーっと心が透きとおりそう。22の海の見えるお店でたまごクリームとパン食べてみたいな2018/12/22
☆よいこ
61
隠児石(かくれごいし)を採掘させるために作られたクローン人間〈ナニューク〉たちは番号で呼ばれる存在。22号は成長しそろそろ隠児石を見つける目を失う。採掘の仕事から卒業し22号は、急に失踪した23号を探すために町に出た。▽絵小説。悪人は全くでない優しいSFファンタジー世界。漫画かなーと思うくらい軽いけど、朝読向き。2019/01/31
あおでん@やさどく管理人
55
優しくて柔らかくて少し不思議な文章は、いつでも穏やかな気持ちにしてくれる。カシワイさんのイラストも多く、半分絵本のようでもある。隠児石でナニュークたちしか見えない書き置きを天井に残していくのとか、何かいいなと思う。彼らの過ごす星のように、穏やかに暮らしたいと思う人は多いはず。2019/02/21