内容説明
マキはふと、もし自分が馬だったら、いやハヤトだったら、と考えてみました。ハヤトの目が、何かいっているような気がしたのです―馬と心を通わせて。人と動物のつながりを取材した、感動の物語。
目次
1 生きものにふれたい
2 マキ、馬と出会う
3 心をとざした馬
4 がんこ馬になったわけは?
5 ずっといっしょだよ
6 心ゆるせるなかまと
7 たよられるハヤト
8 コンラッドホースファーム完成!
9 ハヤト、危うし!
10 ふしぎ馬ハヤト
著者等紹介
井上こみち[イノウエコミチ]
埼玉県に生まれる。日本児童文芸家協会会員。人と動物のふれあいをテーマにしたノンフィクションを多く手がける。『海をわたった盲導犬ロディ』(理論社)で第1回日本動物児童文学賞優秀賞、『カンボジアに心の井戸を』(学研教育出版)で第28回日本児童文芸家協会賞、『往診は馬にのって』(佼成出版社)で第6回福田清人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶんこ
43
幼い頃から動物好きだったマキが、父親の通う乗馬クラブで馬と出会い馬と一生付き添っていきたいと馬の専門学校へ留学。帰国後乗馬クラブで元競走馬のハヤトと出会う。心を閉ざしていたハヤトの気持ちに寄り添いたくて努力する日々。遂にハヤトとの別れが耐えられず、ハヤトの一生に責任を持つ立場となる。ハヤトとの生活のために馬と一緒に居られる住み込みの仕事をし、そこで生涯の伴侶となるジョーさんと結婚。福岡で念願の牧場を持つ事が出来ました。馬が好きというだけで何もしない私と違って、半端ない努力をするマキさんに敬服しました。2016/11/13
ヒツジ
8
「どうぶつといっしょ!―いのちを考える本 (2)」にあったマキコさんとハヤト号のエピソードを詳しく綴ったお話。人でも動物でも、どんなひょんなことから一生をともにすることになるかわからないもので、通じ合えるものとの出会いは奇跡のよう。2014/04/25
ろばこ
4
ノンフィクション。心を閉ざしていた元競走馬のハヤトが、マキさんとの出会いですこしずつ変わっていきます。馬が大好きで常に馬の立場になって考えて、馬と一緒にお嫁にも行っちゃうマキさん。ハヤトにとっても運命の出会いだったと思う。2015/05/27
NakaTaka
2
小さい頃から動物好きで父から乗馬も教わっていたマキさん。大人になって夢を叶え、馬の牧場を経営し調教している実話。心が傷ついた元競馬の馬であるハヤトとの交流がメインになっている。調教と言うより共に生きるということだね。この本からの印象は、身を削って馬のために生きる、相当ハードな仕事だと思う。2014/12/01
ハチコ
2
心を閉ざしていたハヤトが、自分のことを懸命にかんがえてくれるマキさんにだけは心を開いていく。馬は賢いっていうけれど、ほんとだなと。しかし、それ以上に、マキさんが、自分がハヤトだったらどうだろう?と常にハヤトの身になって考え、世話をしたからこそ、こんなにハヤトと心を通い合わせることができたのかもしれない。ハヤトを連れてお嫁にも行くし、自分の牧場も開いたんだもんなぁ。人が動物から勇気や元気のもとをもらうだけでは、よい関係は成り立たない、という作者の言葉が心にしみた。2014/09/04