内容説明
著者は二つの南吉全集の編集に携わった担当編集者。18歳にして傑作『ごんぎつね』を世に問うた「天才童話作家」南吉に、熱い思いをこめて書き上げた渾身の著。「著作権代行者」巽聖歌が南吉作品の改作に関わった背景と編集者の責任、さらに聖歌の死後できた著作権管理委員会設立の経過や校定全集完全までのいきさつなどを丁寧に綴る。
目次
聖歌と南吉
改作問題と編集者の責任
著作権管理委員会の創立と『校定全集』
南吉童話小論(推敲を「読む」―「ごん狐」と「手袋を買ひに」を中心に;「ごんぎつね」についての質問―きすかふなか;最初期作品「巨男の話」について;「でんでんむしのかなしみ」の初出について)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
にいたけ
27
作者の保坂さんは新美南吉の二つの全集を編集された方。南吉が亡くなる前に巽聖歌に託したため改作された問題があったと。そのあたりのことをひとつひとつ皆さんとの合意のもとで直していった。言葉で書くとそういうことですが大変な作業だったと思う。巽聖歌が亡くなったためできたことでもある。巽聖歌は南吉が好きすぎて力が入りすぎてしまったようである。本になる前の話なのでできるだけ忠実にと思うのもまた見方。戦時中に書かれたこともあり、そのままではヤバかったのもわかるのだけれど。うーん🤔2021/02/12