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歴史科学叢書
寛政改革の都市政策―江戸の米価安定と飯米確保

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  • サイズ A5判/ページ数 394p/高さ 23cm
  • 商品コード 9784751731307
  • NDC分類 210.55
  • Cコード C3021

内容説明

本書は、早稲田大学文学研究科に提出した学位請求論文「寛政改革期の都市政策―江戸の米価安定と飯米確保」(1999年6月8日、課程博士(文学、早稲田大学)取得)に修正・加筆し刊行するものである。大原騒動の一方の当事者である飛騨郡代大原亀五郎は、寛政改革において断行された幕領代官に対する一連の粛正策に基づき、その施政を問われて遠島に処されたが、この問題を報告で取り上げたことを契機に、著者は寛政改革に関心を持ち、修士論文のテーマにすることとした。天明期の緊迫した社会情勢を鎮静化させるために、松平定信を首班とする幕閣が遂行した施策を検討したのであるが、具体的には一揆禁令の発令や町会所の設置問題を取り上げた。博士課程に進んだのちは、修士論文の内容を膨らませて、本書のとおり論文を発表したが、修士論文では、一揆・打ちこわしの原因となった米価高騰の状況について指摘することはあったものの、米穀市場政策自体を分析対象に据えることはできなかった。よって、博士論文の作成においては、当該政策の分析にも重点を置いた。本書では米価(食糧)問題を素材として、江戸をいわばマクロの視点で捉えている。

目次

第1部 江戸打ちこわしと一揆禁圧(江戸打ちこわし前夜の社会状況;江戸打ちこわしと幕閣内の政争;酒造制限令をめぐる一揆)
第2部 江戸米穀市場政策の展開(酒造制限の地域性と米穀融通の活性化;江戸下り酒の入津制限)
第3部 江戸における備荒貯穀法の整備と展開(江戸町法改正;七分積金の導入;江戸町会所の救済活動における名主・家主の不正 ほか)

著者等紹介

安藤優一郎[アンドウユウイチロウ]
1965年、千葉県に生まれる。1997年、早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。千代田区史編集専門委員、新宿区史編纂員、国立歴史民俗博物館特別共同利用研究員などを経て、現在、財団法人徳川黎明会徳川林政史研究所研究協力員、日本地名研究所評議員。博士(文学、早稲田大学)。主要著作に『新宿区史』(共著、1998年)。『新編千代田区史』(共著、1998年)。「百姓一揆における鉄砲相互不使用原則の崩壊」(『歴史学研究』713号、1998年)。「四谷新堀江町の成立」(『日本歴史』606号、1998年)。「尾張藩邸と出入百姓戸塚村名主中村甚右衛門家」(『社会経済史学』第65巻第2号、1999年)。「代替り朱印改の実態と諸問題―武蔵国高麗郡高麗神社を事例として―」(『史学雑誌』第108編第12号、1999年)。「市谷御親兵屯所の不浄掃除権獲得運動」(『地方史研究』282号、1999年)
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