出版社内容情報
「どなたか音楽をおしえてください。お礼はたくさんします。」こんな張り紙のある熊の家に、つめたい風と共にやってきたのは、青い馬にのった青い人。てっきり音楽を教えてくれるのかと思いきや……。家族を失くし、ひとりぽっちで暮らす熊と、青い色をした北風の家族との不思議な交流を描く、安房直子絵ぶんこシリーズ第7弾。
内容説明
心がぽっとあたたかくなる、やさしい童話集。つめたい風とともにやってきたのは、青い馬にのった青い人。そのふしぎな人が、もっていたのは…
著者等紹介
安房直子[アワナオコ]
東京都に生まれる。日本女子大学在学中より、山室静氏に師事。大学卒業後、同人誌『海賊』に参加。1982年、『遠い野ばらの村』(筑摩書房)で野間児童文芸賞、1985年、『風のローラースケート』(筑摩書房)で新美南吉児童文学賞、1991年、『花豆の煮えるまで』でひろすけ童話賞を受賞。1993年、肺炎により逝去。享年50歳
eto[ETO]
1979年栃木県生まれ。武蔵野美術大学・視覚伝達デザイン学科卒。デザイナーを経て2006年よりイラストレーターに。2019年に絵本制作を再開し、2021年、ボローニャ国際絵本原画展コンペにてファイナリスト選出。第22回ピンポイント絵本コンペ最優秀賞受賞。2022年、絵本『はるとスミレ』(偕成社)刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
53
安房さんらしい作品だ。残酷さと哀切、理不尽、不思議、ときにユーモア、そして意外な結末。北風って、どれが本命?と思いながら読み進めていったら・・・。絵も味わいがあってよかった。2024/11/06
ぶんこ
39
ああ、もう読み終わってしまった。もっと読んでいたかったです。月の輪熊は4歳で大人になる。4歳になったクマさんはひとりぼっち。親兄弟がいないからです。淋しくて音楽を習いたいのですが。。なかなか難しくて演奏できないまま、最後に現れた小さな女の子の北風さんが、青いハンカチからホットケーキの材料を魔法で出してご馳走してくれました。帰ったあと、青いハンカチが置いたままになってました。そのハンカチは、冬眠するクマさんを優しく癒してくれるようです。安房さんの絵本はどれも素晴らしいです。2024/11/27
サラダボウル
19
etoさんの絵が素敵。青い色は、今の絵だなと思うし、モノクロのイラストは昔の岩波の絵っぽい。どちらも好き。おはなしは、山で暮らす熊が、「どなたか音楽をおしえてください」と扉に貼るところからはじまる。訪問者は意地悪だったりして、読者の心をハラハラぷんぷん動かす。最後に訪れたのは、、、。琴線に触れるという表現があるけど、私の心の奥の純だった弦が、まだ鳴りますよと震えてくれる。 2024/10/10
ニコぴよ
9
絵がブルートーンで少しひんやりとした印象が、北風のタイトルを表してもいる。北風さんたち、北風だけに冷たいんだね。でも、北風の娘は熊さんと美味しいホットケーキを焼いて一緒に食べ、風を受けた木々や花たちは、音楽を奏でることを教えてくれる。ハチミツたっぷりのホットケーキ、美味しそう♪ 忘れ物の魔法のハンカチ、まさかそんな所に保管するなんて驚き。でも、そのハンカチが熊の耳にメロディを受け取らせてくれるとは、良かったこと。 絵本だけど、しっかり文章が読める年齢向け。大人にもお勧め。2025/03/30
てぃうり
4
しあわせな冬ごもりにはいれたのか。Etoさんの絵がお話にぴったり。2025/03/10
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- 和書
- 透明な螺旋