出版社内容情報
山のふもとの村にあるおでんの屋台〈雪窓〉。
はじめて雪がふった晩、峠の方からころがるようにやってきたお客は、なんとたぬき。けれど、おやじさんはおどろいたりしません。だって山には、もっともっとふしぎなものがたくさんすんでいるのですから…。おやじさんとたぬきのやり取りがなんとも楽しい!心がぽっとあたたかくなる童話集、シリーズ第5弾。
内容説明
心がぽっとあたたかくなる、やさしい童話集。山にはふしぎなものがたくさんすんでいます。はじめて雪がふった晩、おでんの屋台“雪窓”にちょっと変わったお客さんがやってきました。
著者等紹介
安房直子[アワナオコ]
東京都に生まれる。日本女子大学在学中より、山室静氏に師事。大学卒業後、同人誌『海賊』に参加。1982年、『遠い野ばらの村』(筑摩書房)で野間児童文芸賞、1985年、『風のローラースケート』(筑摩書房)で新美南吉児童文学賞、1991年、『花豆の煮えるまで』でひろすけ童話賞を受賞。1993年、肺炎により逝去。享年50歳
長谷川あかり[ハセガワアカリ]
多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。受賞歴に「ちょんまげタワー」で第9回、「すやすやおうこく」で第11回MOE創作絵本グランプリ佳作受賞。『ドーナッツじけん』で第17回タリーズピクチャーブックアワード絵本大賞受賞など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
40
山の麓の村に「雪窓」という素敵な屋号のおでん屋台があり、妻子を亡くしたおやじさんが一人で営んでいます。そこに現れたのが狸。夜な夜な現れる狸さんを助手として採用して、家族が増えたようで嬉しいという親父さん。ある日、山を越えて娘さんが屋台のお客さんとして現れます。その娘さんが高価なアンゴラの手袋を忘れていきました。娘さんと手袋の魔法?にウルウルしました。三角のプルンプルン、私も食べたくなりました。2025/02/05
ヒラP@ehon.gohon
26
自分の大好きな、人情味のあるいいお話です。おでんの屋台という設定からしてしみじみとしてきます。 そのおでん屋のおじさんが、。幼くして亡くした娘の面影を追い求める構図などは大人にも響いて来る哀愁があります。 お客として現れたたぬきも、物語をファンタジーに役を演じていると思います。2025/01/30
サラダボウル
14
山のふもとのおでん屋さん、「雪窓」。おじいさんがひとりで営むその店に、ある日たぬきがやってくる。「さんかくのぷるぷるっとしたやつください。」楽しく美しい日本語で、物語の世界が広がっていく。ことばは、雪国の静けさ、森に住む不思議な生き物の息遣い、そしておじいさんの孤独までそおっと浮かび上がらせる。ホクホクおでんのあたたかさ、たぬきとのやりとり。読み聞かせしてみたかった!2024/08/20
遠い日
8
「安房直子絵ぶんこ」シリーズ5。「雪窓」は屋台のおでん屋の名前。この叙情溢れる店名がまずいい。山の麓で気のいい親父が営むおでん屋に、毎夜やって来てはおでんを楽しむ一匹のたぬき。やがて親父さんの助言から店を手伝うようになる。来る客を拒まない親父の心のうちも明かされていく。懐の大きい親父だからこそ、不思議は不思議のままに受け止められたのでしょうね。全てを描ききらないままの安房直子流オープンエンド。さすがです。2024/07/27
はる
2
三角のぷるぷる。なんて素敵な表現なんでしょう。一気におでんが恋しくなりました(5月なのに!ww)最後、夢でなくて良かった!素敵な一夜でした。2025/05/29