出版社内容情報
谷間の小さな村で雑貨屋をひらいているおばあさんは、遠い村で働いているという息子の話をよくしていました。でも村の人たちはみんな知っていたのです。おばあさんに息子はいなくて、昔からのひとりぐらしだったことを。ところがある日、「孫娘の千枝ちゃん」がひょっこりやってきて…。心がぽっとあたたかくなる、安房直子絵ぶんこシリーズ第4弾。
内容説明
心がぽっとあたたかくなる、やさしい童話集。野ばら堂のせっけんは、ほんもののばらのにおいがしました。かおりがよくて、泡だちもよくて、つかえば、はだは、すべすべ。またたくまに売り切れるその人気のせっけんは…
著者等紹介
安房直子[アワナオコ]
東京都に生まれる。日本女子大学在学中より、山室静氏に師事。大学卒業後、同人誌『海賊』に参加。1982年、『遠い野ばらの村』(筑摩書房)で野間児童文芸賞、1985年、『風のローラースケート』(筑摩書房)で新美南吉児童文学賞、1991年、『花豆の煮えるまで』でひろすけ童話賞を受賞。1993年、肺炎により逝去。享年50歳
高橋和枝[タカハシカズエ]
神奈川県生まれ。東京学芸大学教育学部美術科卒業。文具デザインの仕事を経て、書籍の挿画や絵本創作に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶんこ
37
子どものいない雑貨店を営むおばあさん。いつもお客さんには遠い村に暮らす息子さん一家の話を嬉々としています。空想と知っていても黙って聞くお客さん、優しいですね。そんなおばあさんの元に千枝ちゃんという娘が現れ、石けんを置いていきます。バラの香りがして、お肌もツルツル。おばあさんは孫が来ないかと待ち遠しい。おばあさんと千枝ちゃんの優しさに胸キュンでした。2024/07/30
遠い日
8
「安房直子絵ぶんこ」シリーズ4。おばあさんの寂しい気持ちが連れてきた不思議な世界ではあっても、この出会いによって楽しみを見出し元気になるおばあさん。生活の張りと希望。ひとときの夢だったでしょうか。全てを描ききらない謎がすばらしい叙情を生み出します。いい香りがして肌がすべすべになるという野ばらの石鹸。どうしておばあさんのお店に卸してくれるようになったのでしょう。2024/07/27
栗羊羹
7
新聞広告で見たり、図書館の絵本コーナーで【おすすめ】に並んでいたのでちょっと気になっていました。小さな村で雑貨屋を営むおばあちゃん、お客さんに遠くに住んでいる息子や孫の話をするけど、おばあちゃんには息子も孫もいないことはみんな知っている。ところがある日孫(!)が現れて…孫が持ってきた「野ばら堂のせっけん」は大人気!すこし悲しくてあったかいお話し。2024/11/04
てぃうり
5
安房直子さんのおはなしと高橋和枝さんの絵両方が心にしみる。このシリーズは、絵を描く人がおはなしをさらに引き立てていると思う。たぬきの愛らしさと優しさがじんわりと伝わってくる。野ばら堂の石けん使ってみたい。2025/02/02
のんたろう
4
小さな村で雑貨屋を営むおばあさんと、3匹の子だぬきの交流を描いたお話。ほんわりと心があたたかくなるお話で、今もどこかでおばあさんと子だぬきたちが仲良く交流しているように思えてくる。野ばらのかおりの石けん、わたしも使ってみたいな。2025/02/07
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- 和書
- 直木三十五伝