出版社内容情報
フルートを生きがいにしていた少女アニーは、音楽学校に入学するための準備をしていたが、母親の起こした事故で手にけがを負ってしまう。リハビリをすれば、元通りフルートも吹けるはずと医者には言われているが、なかなかそんな気にもなれず、母親とも普通に接することができなくなっていた。沈んだ日々が続いていたある日のこと、アニーは、引っ越した先の空き地で、大空へと舞い上がるような軽やかな音楽を耳にする。そこにいたのは、ヤブに頭を突っ込んだ男の子と、つがいのブラックバードだった…。
さわやかな希望と再生の物語。
内容説明
フルートを生きがいにしていたアニーは、事故にあい、手をけがしてしまった。リハビリをすれば、元通りフルートも吹けるはずと医者にはいわれているが、なかなかそんな気にもなれず、つらい毎日。そんな中、引っ越し先で、秘密の世界を見つけて…
著者等紹介
ベーレン,カチャ[ベーレン,カチャ] [Balen,Katya]
1989年、ロンドンに生まれる。大学で英語学を学び、大学院で自閉症児の研究をおこなう。デビュー2作目の『October,October』で2022年度のカーネギー賞を受賞
千葉茂樹[チバシゲキ]
1959年、北海道に生まれる。国際基督教大学卒業後、児童書編集者を経て翻訳家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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☆よいこ
79
児童書。YA。事故で腕をけがしたアニーはショックでフルートが吹けなくなる。看病のため失業した母親とアパートに引っ越したアニーは、ベランダから見える公園に人影を見る。公園の裏手にある藪から出てきたノアに案内されて、アニーはブラックバードと出会う。ブラックバードの番はお互いにメロディーを囀りシンフォニーを作り出そうとしていた。だけど、ノアにケガとフルートのことを聞かれたアニーはパニックを起こす。ブラックバードのオスが死に、残されたメスは歌を忘れてしまう▽挿絵は鈴木まもる。再生の物語。ハピエン2023.10刊2024/01/08
けんとまん1007
40
安易には言えないが、明日と希望の物語。生き物(ここではブラックバード)の持つ力は、それを巡る人たちにも伝わる。少しのきっかけが、大きな力につながる。2024/01/21
りらこ
23
お母さんの車にのっていて事故にあい、右腕をけがした主人公アニー。フルートの道へ進むつもりが、フルートも持てない、吹けない、そしてなんのやる気もでないところから、とある公園で出会った少年とブラックバードによって…。ブラックバードがどんな歌をうたうのか気になってYouTubeで調べたら、とても美しかった。ブラックバードもアニーもお互いがお互いを救っていく話。心の動きが、淡々と描き出されていて、また挿絵もとても素敵。母親の気持ちが手に取るようにわかるのが、辛くもあり。2023/10/24
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
20
交通事故のためフルートを吹けなくなったアニーが出会ったのは、卵を抱えたつがいのブラックバード(クロウタドリ)を見守るノア。伴侶を失ってもヒナを育て上げる鳥の姿に自分を重ね、アニーも音を取り戻す。自分を責めていた人々が己を許せるようになる物語。鈴木まもるさんの挿画がサイコー!2024/01/14
杏子
11
ブラックバードの歌というのに、興味を引かれて読んでみた!鳥の巣の研究家の鈴木まもるさんが挿画を手掛けられていてさらに興味が湧いてきた。事故で腕に怪我をしてフルートを吹けなくなった少女の物語。引っ越し先のアパートの近くの公園で出会った少年に教えてもらって、少女アニーはブラックバードという鳥を知った。怪我で音楽を失ったと思っていた少女が愛らしい鳥の歌によって音楽を取り戻していくまで!いさかいがあるわけでもなく、すごく爽やかな読後感があるいい本。100頁そこそこなのですぐに読める。音楽と鳥を愛する人へ。2023/12/16
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