感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
92
YA。トランスジェンダー▽国会議事の母親と私設秘書をしている父親は超多忙で、4歳年上の兄ジェイソンがサムの面倒を見てくれた。ジェイソンはサッカーが得意でイケメンで学校一の人気者だった。サムはジェイソンが大好きで憧れていた。だけど、ジェイソンが自分は兄ではない姉なんだと言い出した時、サムは絶対認めたくなかった。大好きだった兄が居なくなる気がしたから…▽母親は政治家の立場からジェシカを認めたくないし、父親は石頭。弟は理想の兄を求めすぎて一家は大混乱。ジェシカは勇気を出したのに可哀想。通り過ぎればどうてことない2021/07/12
ゆのん
75
【NetGalley】トランスジェンダーの話。自分の性別に疑問を持ってきた17歳の男子が散々悩んだ末に家族にカミングアウトする。政治家である母親、その秘書の父親、兄をヒーローと慕ってきた弟は受け入れ難い内容に愕然とする。家族の気持ちも分かるが一番辛く苦しいのは本人なのに…と理解の無い家族に少々の苛立たしさを感じる。息子の幸せと言うが、何が幸せかは本人にしか判らないのでは。正直に生きられるのか、家族の絆は戻るのか。この本は勇敢に戦うトランスジェンダー達への作者からのエールなのでは。832020/04/07
しゃが
56
英国の4人家族のサムは4歳上のジェイソンが自慢、スポーツマンで人気者、何よりも手助けしてくれる兄だった。が、トランスジェンダーであると家族にカミングアウト。政治家としての成功を狙う両親や兄として慕うサムも受け入れられない。両親の焦りやサムのとまどいの言動がつづくなか、最も苦しんでいた彼は自分の自覚する性に誠実になろうとする…。児童書としては難しいかもしれないが、英国ジョークの軽さもあるなか兄弟のそれぞれの葛藤と成長を描いていた。寺地さんの『水を縫う』のあとで、読んだが、これからの「生きる」を共に描いていた2020/07/11
長くつしたのピッピ
44
世間体を気にするのは、日本に限らず何処の国も共通だ。議員をしている母親は、サッカーが得意で学校の人気者の長男のLGBTを認めたくない。古い価値観に縛られた私達の世代は、子どもの突然の告白に混乱し否定してしまうだろう。親は子どもの幸せを一番に思うけれども、子ども自身にとっての幸せとかけ離れているのかもしれない。親の思いは別にして、どんなに困難でも、本人が望む性で生きることがその子の幸せに繋がるのならば、全力で守って応援してやりたい。当事者になったら出来るかどうかは自信が無いけれど。2021/08/18
そら
44
YA児童書。大団円のラスト。子供たちがLGBTについて理解し、偏見や差別意識を持たないように、という願いがこもっている本。子供だけじゃなく大人もそうですが。あとがきによると作者自身もゲイで、周りに打ち明けるまではかなり苦しんだそうです。2020/10/06