内容説明
すぐれた詩人の名詩を味わい、理解を深めるための名詩入門シリーズです。「二十億光年の孤独」「朝のリレー」「さようなら」など、鮮烈な印象を放つ詩を多数発表している詩人、谷川俊太郎。多彩な作品群の中から厳選した二十三編の詩で、「谷川ワールド」を解き明かします。
目次
生長
かなしみ
はる
二十億光年の孤独
ネロ―愛された小さな犬に
41
空の嘘
地球へのピクニック
海
おっかさん〔ほか〕
著者等紹介
萩原昌好[ハギワラマサヨシ]
1939年神奈川県に生まれる。東京教育大学、同大学院を卒業後、埼玉大学教授、十文字女子大学教授を経て、現在に至る。宮沢賢治学会イーハトーブセンター会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
陽子
37
久しぶりに谷川俊太郎さんの詩集を手に取ってみた。不確かなものに対する思いや問い、命の大切さ、当たり前の幸せ。色々な物事を見つめる目がそこにある。あえて漢字を使用せず、すべてひらがなで書かれた詩もある。「空の嘘」〜青空に飛ぶ鳥と、人間の作った飛行機の飛ぶ違和感。「生きる」の詩、好きです。手のぬくもりの温かさに生きていることを感じること。色々な物事に思いを馳せる感じが素敵。「成人の日に」も感慨深い。〜完全な人間はどこにもいない。人間とは何かを知り尽くしている者もいない。‥とらわれぬ子どもの魂で。解説も良い本。2024/01/07
東谷くまみ
37
谷川さんの詩は感じるというより考える詩なんだと思う。心の内面を深く見つめ自分の生長と向き合う詩が多いので静かな湖に一人佇む感覚だ。だから心の旅から帰ってきた時、音が溢れていることに驚く。悲しみを乗り越え生きていくということを力強くしなやかに詩う「ネロ」「これが私の優しさです」「さようなら」、地球上のどこかで鳴っているかもしれない目覚まし時計の音と共に始まりの期待に満ちた朝をつなぐ「朝のリレー」。でも…広い宇宙空間での人間の孤独を考えた時に出ちゃったくしゃみ😊これが谷川さんのすごいとこなんだと思う🥰2021/08/05
りえこ
21
谷川俊太郎さんの詩が好きで、図書館で見つけて借りてきました。このシリーズは、絵も素敵でお気に入りです。とても有名な、朝のリレー等、色々読めて解説もついていて良かった。2014/06/03
shigeki kishimura
11
ネスレのCMで使われていた「朝のリレー」が印象的です。自分の中で今でも記憶に残るCMになっていますから。2021/04/20
Nonberg
10
たいへん失礼とは思うが、谷川氏の詩には近づかずにいた。いや、避けてきたといったほうが正直だろう。最初にめぐりあった作品との相性が悪かったのか、詩への無理解からか、詩(うた)だとは感じられなかった。あたまで概念を追うことにとても疲れを覚えた。ひとり口ずさむ気になれなかった。でも、いつまでも食わず嫌いではいけない。シリーズの一冊でもあるし、というわけで、所載の作品から好みを選んでみた。「生きる」はよい。自分はリフレインが単純に好きだと気づかされた。「かなしみ」には、なぜか新古今調のような冷たい美しさを覚えた。2023/05/09