内容説明
日本の民衆詩を代表する詩人、山村暮鳥。その初期の前衛的な詩から、晩年の人道主義的な詩までわかりやすく紹介します。
目次
風景 純銀もざいく
人間に与える詩
子どもは泣く
先駆者の詩
此の世界のはじめもこんなであったか
或る日の詩
道
麦畑
わたしたちの小さな畑のこと
友におくる詩〔ほか〕
著者等紹介
萩原昌好[ハギワラマサヨシ]
1939年神奈川県に生まれる。東京教育大学、同大学院を卒業後、埼玉大学教授、十文字女子大学教授を経て、現在に至る。宮沢賢治学会イーハトーブセンター会員
谷山彩子[タニヤマアヤコ]
1966年東京都に生まれる。セツモードセミナー卒業。HB GALLERY勤務の後、フリーに。雑誌、書籍、広告などの世界で幅広く活躍。TIS会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
111
「風景」の「いちめんのなのはな」のような前衛的な詩と、「雲」のような素朴な詩の違いが面白い。まるで別人が書いたかのようだ。しかし、どちらも山村暮鳥の心から生み出されたものだ。この詩人は信仰者でもあった。キリスト教を信仰していれば、キリスト教の理想と現実の世界の不一致に、誰もが苦しむ。その二つの世界のギャップによる苦しみから、これらの詩は書かれたのだろう。暮鳥は杓子定規な信仰者ではなく、自然な美しさや人情の機微が分かる人だった。そのことが詩にも反映されており、味わい深い詩が多い。→2016/11/04
ふじあつ
8
★★★☆☆ 図書館の目立つところにあり,立ち読みで読みました。後半はちょっと暗めの詩が多かったですが,前半の「友におくる詩」が好みでした。一生懸命生きなさいという風にエールを送られている感じが気に入りました。2021/09/21
退院した雨巫女。
8
《私-図書館》暮鳥は、若いときに亡くなったのね。結核って怖いね。2017/03/28
遠い日
7
暮鳥といえば「いちめんのなのはな」。この詩のタイトルが「風景 純銀もざいく」であったとは失念。そして、「雲」。「おうい雲よ」に、心が解かれる。詩風の変遷は暮鳥自身の人生の変遷。2017/04/11
Y.Yokota
5
何かで知った山村暮鳥、最初の読むのにいい本はないかと思いこのシリーズにしました。厳選した(読み易いものが多い)詩と、一つ一つに解説、というより読むためのヒントが書かれています。少し説明し過ぎかなぁという気もしないでもないですが、最初はまずとにかく詩に親しんで、それからじっくり自分で考えればいいのではないでしょうか。クリスチャンとしての自然への優しい眼差しと、詩人としてのそれらを超えようとする葛藤が作品によく現れています。対象は小学校高学年とありますが、何も知らない大人が読むにもいい本です。2020/11/25