内容説明
女王さまのため、きらめくクリスタル求め、アリたちは長く危険な旅へ。ところが、そんなアリたちのなかに、2ひきの、いけないアリが!クリスタルの山に魅せられた「いけないアリ」がくりひろげるシュールな大冒険。
著者等紹介
オールズバーグ,クリス・ヴァン[オールズバーグ,クリスヴァン][Allsburg,Chris Van]
1949年、アメリカ・ミシガン州生まれ。ミシガン大学、ロードアイランドデサイン学校で彫刻を学ぶ。絵本作品に、1986年度コルデコット賞受賞作『急行「北極号」』(あすなろ書房)など多数
村上春樹[ムラカミハルキ]
1949年、京都府生まれ。早稲田大学文学部卒業
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
90
仲間の一匹が人間の家から持ち帰った〈クリスタル〉を女王アリはとても気に入ったので、アリ達は採掘の旅に出た。目的地に到着しクリスタルを運び出すことに成功したが、仲間と離れた2匹はお腹いっばいごちそうを食べ、眠ってしまった。そして、とんでもない出来事に巻き込まれてしまう……。翻訳家としての村上春樹氏の仕事がとても好き。原題TWO BAD ANTS.別の訳者で読んだ『くいしんぼうのあり』に比べると、抑制された文体、原文に忠実な訳がとても魅力的。〈絵本好きの大人〉にはとても得難い存在だと思う。2004年9月初版。2015/03/07
ムッネニーク
75
94冊目『2ひきのいけないアリ』(クリス・ヴァン・オールズバーグ 著、村上春樹 訳、2004年9月、あすなろ書房) 欲張りな2匹のアリに次々と降り掛かる災難をコミカルかつ意地悪に描く。 オールズバーグと言えば幻想的なタッチのイラストをパステルカラー、またはセピアカラーを用いて描く作家という印象があるが、本作の作風はそれとはまるで違い、あたかもコミックの様。マンガチックなアリたちの挙動が愛らしい。 〈二ひきは、クリスタルのシャワーにまじって落下し、沸きたつ茶色の池の中にどぶんと落ちました〉2024/07/12
とよぽん
54
アリの世界も大変だ。絵に派手さはないけれど、アリの視点が面白いし、その先が気になってページをめくる高揚感は思いがけず高かった。自分でも意外なほどワクワクした絵本。結末は、ちょっとあっさりしていた感じではあったが・・・。2023/02/27
tomi
44
村上春樹訳の絵本。女王様のために美味しい「クリスタル」を求めて旅に出る働きアリたち。しかし2匹のアリは怠けたばかりに数々の受難が降りかかる… 小さなアリにとってはキッチンの砂糖を獲りに行くのも大冒険だ。アリ視点の絵が面白く、装幀も含めておしゃれな一冊。2016/08/14
nyanco
42
とてもシュールな作品で大人もにんまり。アリの目から見た人間の暮らしはとてもデンジャラス!ポップアップトースターやディスポーザー、電気のコンセント…と様々な恐怖を体験する蟻たち。いけない蟻たちの大冒険、子供たちはきっと喜ぶはず。でも子供だけだなんて勿体ない!イラストの線や色使いがとても良く、お洒落な絵本として大人が楽しめる一冊。是非、手に取っていただきたいオススメです!!続→2010/03/30