出版社内容情報
ある夏の日、11歳の少年マーティは、ビーグルの子犬に出会います。飼い主は嫌われ者のジャド。普段からひどい目にあわされているのか、マーティが近づくと後ずさり、声も出しません。マーティは、ジャドから子犬を守ろうと決意し、「シャイロー」と名付け、家族にも内緒でこっそり世話をしはじめます。しかしシャイローを守るためには、つきたくもない噓をつかなくてはならず、マーティは悩み、考えます。「本当に正しいこと」って何なのだろう?
子犬との出会いをきっかけに、成長していく少年の姿を描いたさわやかな物語。
内容説明
子犬のシャイローと出会ったことをきっかけに、少年マーティは、だれにもいえない秘密をもつことに…。子犬との出会いをきっかけに、成長していく少年の姿を描いたさわやかな物語!ニューベリー賞受賞作。
著者等紹介
ネイラー,フィリス・レイノルズ[ネイラー,フィリスレイノルズ] [Naylor,Phyllis Reynolds]
1933年アメリカ生まれ。16歳で日曜学校の新聞に執筆して以来、絵本からYA作品まで130点以上の作品を発表。『シャイローがきた夏』は、1992年度ニューベリー賞、マーク・トウェイン読者賞などを受賞し、アメリカの学校では今でも必読書になっている
さくまゆみこ[サクマユミコ]
東京生まれ。青山学院女子短期大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はる
66
森の中で偶然出逢った小さなビーグル犬。少年マーティは一目で魅せられますが、この犬は酷い虐待を受けていたのです…。粗野で無法者の飼い主からこの犬を救うために、マーティの奮闘が始まります。無力な子供であるマーティの必死の努力と葛藤が切ない。アメリカでは非常に評価が高くニューベリー賞なども受賞。少年の行動に日本人としては少し違和感を感じます。アメリカ的な正義や道徳観なのですね。それにしても、マーティ君、犬にそんなもの食べさせたらダメよ…。2017/09/04
ケロリーヌ@ベルばら同盟
50
マーティ少年は、11歳の誕生日にライフルを貰いました。趣味の銃ではなく、食卓に乗せる為の獲物を撃つ猟銃です。父さんは、誠実に郵便配達の仕事をし、母さんは内職に精を出しますが、小さな家に住む五人家族の生活は楽ではありません。獣医になりたいという夢も、多額の学費という現実の前に儚く萎んでしまいました。夏休みのある日、痩せこけ怯えきった、小さなビーグル犬を保護した事により、マーティは家族や隣人に対して大きな秘密を抱えてしまいます。優しい少年の勇気と葛藤に、拍手を送ったり、ハラハラしたり、夢中で読み終えました。2020/07/09
R子
20
少年マーティが知恵を絞って、ビーグル犬シャイローを守ろうとする。その必死な気持ちが伝わってきた。間違っていたとしても、シャイローはマーティの家に来た方が幸せになれると何度も思った。けどジャドだって別に極悪人な訳ではなくて、ペットという概念が彼の中にはなく、犬のことを狩猟(仕事)に使うものと考えているだけだと最後の方ではっと気付く。考えさせられる内容だった。2016/10/15
杏子
17
何か後味の悪い話だった。犬を虐待したり、密猟期にはシカを打ってはいけない法律があるにも関わらず、自分の欲求のためにやってしまうジャドという人間にはよくない面がたくさんあったのに。マーティー少年はただ犬を救いたい一心で、取引をしてしまった。報酬のために働くのはいい、その熱心さにジャドが根負けしたのか?最後には約束を守ってくれる点はいい。だけど、このジャドはきっとこれからも似たような行為を繰り返すだろう。法律をおかすことをしたジャドは罰せられなくていいのか?しっかりと決着をつけてほしかった。児童書なのだから。2014/12/23
SHIN
12
虐待され助けを求めてきたビーグル犬のシャイローとマーティ(11歳)の友情。読みどころとして、マーティがシャイローを助けたいと願い、11歳ながらも強い覚悟が生まれる。願えば夢は叶う。お手本のような物語でした。2022/03/30