内容説明
稀代の名探偵ホームズの、目となり、耳となり、暗黒街の情報集めをしてきた「ベーカー街不正規隊」。ある夜、メンバーの一人であるティムが殺され、リーダーのウィギンズは、仲間たちから制裁を受け、追放されてしまう。一方、ティムの弟ドゥーリーは、兄の死に不審なものを感じ、一人かぎまわるうちに、とんでもない場面に遭遇して…。「シャーロック・ホームズ」シリーズの『緋色の研究』と『四つの署名』に登場する少年ウィギンズが、新組織「カラス同盟」を率いて、謎に迫る。
著者等紹介
シモンズ,アレックス[シモンズ,アレックス][Simmons,Alex]
ミステリー作家。脚本家。現在、講演や創作のワークショップ、演劇の演出などの仕事で、活躍中
マッケイ,ビル[マッケイ,ビル][McCay,Bill]
編集者。作家。得意分野はミステリーや冒険物シリーズ
片岡しのぶ[カタオカシノブ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぽま
7
イレギュラーズもののパスティーシュ。物語冒頭で解散してしまう(リーダーのウィギンズが隊から追放されてしまう)ので、他の作品とは少々毛色が異なっている。ホームズが行方不明である状況下で、物語は女王の暗殺計画阻止へと展開していく。犯罪組織の「大将」の登場には期待していたのだが、彼の登場は4年後に譲るしかないか。/浮浪児や移民等の、弱者に対する社会の厳しい態度なども織り込んで描写が成されている。ホームズも彼らに対して冷たい態度を取るためにその当時の風潮を際立たせているが、終盤、彼が態度の軟化を見せるのは印象的。2012/12/06
ブラックティー
2
イレギュラーズのリーダーとしてお馴染みのウィギンズ少年が主人公。とはいっても、ある失敗の責任を問われ冒頭でイレギュラーズを離れることに。新たな仲間と〈カラス同盟〉を結成し、行方不明のホームズ救出、ひいては女王暗殺を阻止する為に危険に飛び込むことになります。子ども向けなのですぐに読めてしまいますが、当時の人種差別や貧困の問題、また阿片窟や地下鉄の様子などはとてもリアルに描かれています。1887年はホームズの活動がまさに黄金期に入ろうとしている頃かと思いますが、まだなんとなく若々しい探偵の描写も良かったです。2013/01/20
颯奏
0
イレギュラーズのリーダーといえばウィギンズ。ウィギンズが主人公のホームズ・パスティーシュな児童書。綺麗にまとまっていたし児童書ということもあってするするっと読めた。終わりよければ全てよし。2015/07/28
鐵太郎
0
これは、子供たちの、子供たちのための冒険物語です。彼らは決して超人ではない。根性はあっても空は飛べない。「名探偵カッレくん」の世界を思い出しました。あんな感じです。いい本です、これ。子供だけに見せるのはもったいない。時代背景はしっかり書かれていますし、話の構成もしっかりしている。新時代の正統派のパスティーシュと言ってもいいのではないかな。この本で、新しいホームズ・ファンが増えるのも、面白いかも。2008/11/26
かえる
0
ベーカー街不正規隊のリーダーことウィギンズが主役のお話。ほんとこの頃の階級や人種による差別が厳しかったことがよく分かります。とある失敗が切欠で、ウィギンズは仲間を失い、不正規隊も解散となってしまうのですが・・・新たな仲間を得て、馬車の追跡したり、屋根伝いに走ったり、潜り込んだり、敵に追いかけられたりと本領発揮。描写が上手いので、彼等と一緒に冒険しているようで、読むのがすごく楽しかった。あと、ホームズを訪ねていった時のワトソン先生の厳しい態度に、ウィギンズ以上にショック受けた自分がおりました(笑)2013/11/23
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- 和書
- 菊池寛全集 〈第20巻〉