出版社内容情報
独自の文化で栄華を極めたチェロキー族。白人との共存を夢見ながら、人権も認められず、虐げられた彼らが語る真実のアメリカ史。 中学生~一般
内容説明
ジョージア州北部にひろがるアパラチアの山岳地帯には、160年前までチェロキー・インディアンが住んでいた。チェロキーは独自の文明を持っていたが、白人文明を取り入れ、白人との平和共存を望んだ。だが白人は、チェロキー国家で発見された金鉱に目がくらみ、チェロキーの信頼を裏切り、チェロキーを西へと強制的に移住させた。強制移住の途上、チェロキーの四人に一人が死んだ。むごたらしさをきわめたその旅は、今なお「涙の旅路」として記憶される。
目次
1章 チェロキーの名前
2章 白人が渡ってくるまで
3章 スペイン人、フランス人、イギリス人
4章 チェロキーと白人
5章 新しい国家、新しい人びと
6章 白人文化
7章 話す木の葉
8章 希望と絶望
9章 ゴールドラッシュ
10章 軍隊が来る
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
爺
10
ネイティブ・アメリカンであるチェロキー族の哀史。アパラチア山脈南端部に暮らしていたチェロキー族は、独自の文字を開発し成文憲法を持ち、裁判所も二院制議会も作り、新聞まで発行し、白人との共存を望んだ。それが悪名高いジャクソン大統領とゴールドラッシュに沸く白人たちによって伝来の土地を追われ1600キロのデスロードを歩かされ、希望も未来も奪われた。あまりの残酷さに吐き気がするほどだが、こんどはアイヌの歴史が気になってくる。チェロキー族の国が出来ていたら現代アメリカはどうなっていたのだろうと想像してしまう。2019/08/06
yagian
3
白人との接触によって社会、文化を変容、適応させたチェロキー族(自らの独自の文字、成文憲法を持ち、独立国家であることを主張)が、結局、白人たちによって西部へ追放される歴史を物語風に叙述した本。ネイティブ・アメリカンにも、それぞれの部族ごとの固有の歴史があり、「アメリカ・インディアン」としてひとくくりには語れないのだなと実感した。この本はかなり簡略に書かれているため、より詳しい本を読みたく成る。2016/02/11
ぱせり
2
代々住まった土地を追われ、西部へ強制移送されたチェロキーの人々。「涙の旅路」というけれど、その残虐さは「ホロコースト」としか言いようがない。チェロキーの文化について知りたいと思ったのですが、そういう本ではありませんでした。2009/11/02
inarix
1
アメリカ独立後、父祖の地を奪われたチェロキー・インディアン。酷暑と厳冬の中、1600キロもの道を歩き、過酷な旅の途中で実に4人に1人が命を落とす。道に沿って点々と続く死者たちの墓は、大地に滴った彼らの涙だった―-。今なおチェロキー・インディアンたちによって「涙の旅路」と記憶される強制移住。チェロキーのライフスタイルから歴史の様々な面に触れ、彼らが旅路につくまでの経緯を丁寧に綴る作品。2014/01/21