出版社内容情報
都会に越してきたおじいさんが元気のないことを心配する孫娘。ふたりの心のふれあいをあたたかな色調で綴った絵本。 小学校低学年~中学生
内容説明
コオロギの声、森ガエルのざわめき、ものまね鳥の歌。ジョージアの夏は音楽でみちていました。でも、病気になったおじいさんが、街にうつり住んだとき、すべての音楽はうしなわれたのです。おじいさんの孫娘が、思い出にみちたジョージアの夏のしらべをとりもどすまでをえがく、心にしみるすがすがしいお話。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
46
ジョージア州の田舎に住んでいるおじいちゃんの元で、ひと夏を過ごす孫娘。寡黙なおじいちゃんだが、自然の中で淡々と過ごし、時間が流れていく。多くの言葉はなくても、大切なものはちゃんと孫娘の心には届いている。二人の関係がとてもいい。静かだが心にスーッと入ってくるとても素敵な絵本だった。水彩画の優しい色合いの挿絵がピッタリ。2021/11/14
長くつしたのピッピ
23
自宅の本を整理していて発見。すっかり忘れてしまって自分で声に出して読んでみた。水彩画の柔らかいタッチとおじいさんと孫の穏やかな日常がとても合っている。後半、おじいさんの寂しそうな姿が胸に迫る。子どもには、伝わりづらい気がする。孫のおじいさんを思う気持ちに打たれる。高学年向き。2020/12/25
ちえ
16
【おじいちゃんとの時間】『おじいちゃんの家』と同じ作者・画家の絵本。女の子が田舎の家から都会に来るようになって元気をなくしていく大好きなおじいちゃんのために思いつくこと。『おじいちゃんの家」と一緒に読んでほしい1冊。2018/03/18
いっちゃん
13
田舎で過ごす、おじいさんと孫娘は、ハイジとおんじみたいに、楽しくて微笑ましい。街へ出て、元気がなくなったおじいさんを必死で励まし、ハーモニカをふいてあげるけど、また緑の中で生活させてあげたかっただろうな。優しく切ないお話。2015/12/02
遠い日
11
『おじいちゃんの家』と同じお話。訳者も同じ今村葦子さんなのに、少しく印象をことにするのはなぜだろう。とはいえ、静かな短編小説のような味わいは変わらない。おじいちゃんと孫娘のかけがえのないひと夏。その思い出がある限り、ふたりの胸に宿る光や風やハーモニカの音色は色褪せない。2017/10/16