内容説明
ヴェルサイユ体制下、蔓延するマジノ戦思想(消極的な陣地防衛戦理論)に楔を打込んだ軍人ド・ゴールの初期軍事論。
目次
戦争
カラクテール
威信
ドクトリン
政治家と軍人
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ユーキー・ノウェイン
2
戦史と思想を交えて書かれ、戦争という意外性へ対し、 感性的軍事思考、決断の為の強靭な精神、兵を生かす為の品性、集団を纏める沈黙を持つ威信、理解と大胆な革新性を持つドクトリン。平時と戦時の軍と政治家、国民との関係する問題点を分かりやすく書かれている。 また作中、負けたフランス第二帝政に対する攻勢への消極さからなる守勢と固定概念と化した軍事思想を批判し、第一次世界大戦後のフランス軍の状況と準えて批判。そして第二次世界大戦でフランス本土は第二帝政と同じ道を辿った。2013/12/30
takeakisky
0
ジャッカルの日を読んでいて、そういえば持っていたなと読み始める。エリート軍人向けの持論を澱みなくひろげてみせるド・ゴール。軍人か、それともそれ以外か。そして軍人とは将校のこと。という感じだ。今が平時で、自分が軍人ではないからだろうか、分かるけれど、危うさも感じる。軍人気質と長年の規律生活により第二の天性と化した軍人の形式主義、断言癖、厳格さ。その通り。まったく窮屈で鼻持ちならない。同じエリート主義なら文民のチャーチルの方がフィットする。非常な生真面目さを感じる一冊。しかし、短いし、読んでおいて損はない。2024/10/16