出版社内容情報
先進国中、日米両国だけが死刑制度を温存する――。死刑情報を徹底公開し、賛否両派が真っ向からぶつかり合うアメリカ。その死刑制度の歴史的背景から現状までを豊富な実例で明示し、「死刑密行主義」を是認している日本の閉鎖性を浮き彫りにする問題作。
内容説明
死刑は犯罪を抑止できるのか、あるいは政治の道具なのか、少年、知的障害者までも容赦しないのか。先進国中、日米両国だけが死刑を温存する。その死刑をめぐる落差を、豊富な実例で明らかにする。
目次
第1章 死刑の政治化―タフな政治家が求められる背景
第2章 弱者と死刑―“極刑”に例外なし?
第3章 処刑の歴史―時代とともに変わる死刑の形態
第4章 揺れる最高裁―賛成派、反対派の果てしない相克
第5章 珍しくない誤判―誤判、冤罪はなぜ起こるか
第6章 死刑公開はどこまで可能か―言論の自由と遺族の思い
第7章 強烈な個性の死刑囚たち―死刑を望む者の意外な心理
第8章 なぜ死刑制度の存続か―直視する国と沈黙する国の落差
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akemitsu
1
1998年初版。少し古い本なので、最近の状況などはわからない。落ち着いた筆致でかかれており、感情的にならないように、特に人種や刑罰の関連性など触れる箇所では著者の主観も意識されつつかかれている印象。死刑制度の歴史なども触れてあり、教科書的に大枠を掴むには良い本かと思う。2019/12/07
抹茶ケーキ
0
アメリカの死刑。全体的な制度の話(有名な判例とか法律の話)だけではなく、個別の事件や犯罪者についても言及していてバランスが取れていると感じた。筆者がメディアの人だからか、アメリカと日本のメディア報道の差とかも書かれていて参考になった。死刑に賛成するにせよ反対するにせよ、死刑に関する情報を大部分隠している日本の現状は、どうあっても民主主義的ではないし、かなり異常だとは思う。2016/11/27