出版社内容情報
「英雄」ヒトラー、「祖国」ドイツは、ナチスの歴史・国語教科書にいかに描かれたか、豊富な引用を交えつつ分析。大衆社会状況下の大不況のなかで、「第二のマスコミ」=教育をいかに利用してファシズム体制を確立したかを解明。ソフトな管理社会日本で改めて考える。
内容説明
ナチス時代の教科書は「英雄」ヒトラー・「祖国」ドイツをどう描いたのか。豊富な引用で徹底的に検証する。
目次
第1部 ヒトラーの教科書(いま、なぜ戦争の時代をふり返るのか;ナチズムと教育;第三帝国の歴史副読本にみるヒトラー像;第三帝国の国語教科書にみる戦争)
第2部 戦争をふり返る形―ドイツの戦後、日本の戦後(西ドイツ教育の示唆するもの;戦争をふり返る二つの形―西ドイツの自己批判、日本の自愛;平和・自由の主体形成と日本文化;近代日朝関係をどうふり返るか―日韓歴史教科書研究のめざしたもの)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
May
2
'89と’93に様々なところで発表されたものを含む5つの論稿をまとめたもの。ナチズム時代の教科書(≒メディア)の分析、西ドイツと日本の教育において、戦争とナチズムの時代をどのように取り扱ってきたかの2部構成。様々な考えはあるだろうが、時代を作るのは民衆である、ということを教えてくれる。今後の社会は今作られているのであって、その時の人たちが作るのではない、と私は思っている。かと言って、何もしているわけではなく、自らの幸福のための生きているのだけれど。映画「帰ってきたヒトラー」もどうぞ。これも示唆に富みます。2018/11/25
可兒
1
ナチス時代の青少年教育の実態について書かれたところは面白かったが、それを読者に伝える著者側のスタンスが90年代の『軍靴の響きが』系だったので、他のところはつまらなかった。民主党が政権取ってる時代に国会の大政翼賛会化などという文章を読んでも現実感がわかない2012/10/19