出版社内容情報
「ニッポンにいるのは、賢人気取りばかりだ」
「ポピュリズム」「反知性主義」「ポスト・トゥルース」
時代を「象徴」する言説に潜む〈大衆への差別的なまなざし〉。
資本主義×知識人が一体となって管理・支配しようとする現況を問い、近代社会の土台に存在する、無名の人びとが蓄積してきた知や技術に光を当てる。
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◆「中立」の立場から差別する過激中道[エキストリーム・センター]
◆ 平等を求める動きへのシニシズム
◆ 格差と対立を無視し、円滑な社会運営を志す「秩序派」
◆ 愚かな群衆に囲まれていると感じるリベラル知識人のナルシズム
知的ソースをあげて、スマートに切って捨てる態度、利得と犠牲の計算のような知的操作で、割り切ってみせる態度は根本的には、この世界とは別の世界にむかう衝動や想像力にむけられているようにおもわれるのである。
〈支配する知ではなく、解放する知を求めて〉
──私たちが生き延びるための唯一の方法はデモクラシーを深化させることである。
内容説明
時代を「象徴」する言説に潜む“大衆への差別的なまなざし”。資本主義×知識人が一体となって管理・支配しようとする現状を問い、近代社会の土台に存在する、無名の人びとが蓄積してきた知や技術に光を当てる。
目次
1 無知と知、あるいは「大衆の恐怖」について(現代日本の「反・反知性主義」?;「反知性主義」批判の波動―ホフスタッターとラッシュ;ピープルなきところ、ポピュリズムあり―デモクラシーと階級闘争;「この民主主義を守ろうという方法によってはこの民主主義を守ることはできない」―丸山眞男とデモスのカ能;ー九六八年と「事後の生(afterlives)」―津村喬『横議横行論』によせて
「「穏健派」とは、世界で最も穏健じゃない人たちのことだ―「エキセン現象」をめぐる、なにやらえらそうな人とそうじやない人の「対話」)
2 だれがなにに隷従するのか(「放射脳」を擁護する;「しがみつく者たち」に―水俣・足尾銅山・福島から;自発的隷従論を再考する;「自由を行使する能力のないものには自由は与えられない」―二〇一八年「京大立て看問題」をどう考えるか;「中立的で抑制的」―維新の会と研究者たち;「この町がなくなれば居場所はない」―映画『月夜釜合戦』と釜ヶ崎)
3 この世界の外に―抵抗と逃走(「ブラジルでFIFAのブレザーなんて着たがるヤツはいない。殴り倒されるからだ」―二〇二〇年東京オリンピックをめぐる概観;戦術しかない/戦略しかない―二〇一〇年代の路上における二つの趨勢;「わたしは逃げながら、武器を探すのです」―ジョージ・ジャクソン、アボリショニズム、そしてフランスにおける「権力批判」の起源について;ポリシング、人種資本主義#BlackLivesMatter;パンデミックと〈資本〉とその宿主;「世界の終わりは資本主義の勝利とともにはじまった」―文明に生の欲動をもたらすもの;すべてのオメラスから歩み去る人びとへ―反平等の時代と外部への想像力)
著者等紹介
酒井隆史[サカイタカシ]
大阪公立大学教員。専門は社会思想史、都市社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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